妊娠・出産
知っておこう!誘発分娩による出産のメリットとデメリット
誘発分娩とは、陣痛促進剤や子宮口を柔らかくするための薬を使用したり、子宮口を開くための「バルーン」とよばれるものを子宮に入れたり、陣痛を人工的に誘発してから出産する分娩方法です。
誘発分娩をおこなうのは、出産予定日を超過して必要と判断された場合や、計画無痛分娩の場合などです。今回は、誘発分娩のメリット、デメリットをご紹介します。
誘発分娩のメリット
初産の人は特に、陣痛が始まっても子宮口がなかなか開かずに分娩が進行せず、時間とともに妊婦の体力だけが奪われていってしまう場合があります。
そのようなときに陣痛促進剤を使用することで、出産が短時間で済むため、母体と胎児両方の負担が減少し、出血量も少量で済ませることができます。
また計画出産での誘発分娩の場合は、自宅や思わぬ場所での破水、陣発の危険を回避することができます。「いつ陣痛が襲ってくるのか」という緊張感の中にいると、なかなか気持ちも落ち着かないものです。その点、計画出産であれば出産予定日が事前にわかるため、安心して出産にのぞむことができます
さらに、上のお子さんの行事や旦那さんの仕事の都合などと出産予定日のスケジュール調整がしやすく、立ち合い出産を希望するママ・パパが選択するケースも多いようです。
誘発分娩のデメリット
陣痛促進剤
陣痛促進剤を使用した出産では、薬の使用後にいきなり強烈な陣痛がくることが多くあります。特に初産婦の場合は、産道などが開く準備ができていないこともあり、お産が進まず痛みだけがとても激しいくなることがあるようです。
また子宮の収縮が激しくなることにより、胎児を圧迫し「胎児機能不全」をおこしてしまったり、「子宮破裂」など母子ともリスクが生じる場合があります。
帝王切開
陣痛促進剤に反応しなかった場合は、やむを得ず帝王切開になることがあります。帝王切開の時に気を付けなければならないのは、術後の傷口。傷口の痛みが激しく現れたり、傷の治りが遅く化膿したりしてしまうことがあるのです。
そのため、痛み止めの服用や点滴をしながら痛みを和らげていきます。また産後トラブルや便秘の解消のために、はなるべく早めに歩きだすことを推奨されます。
無痛分娩の麻酔
最近では、陣痛の痛みへの恐怖や体力的な心配から、無痛分娩を選択するママも増えています。
無痛分娩では、麻酔を使って痛みを感じさせなくするのが一般てきな方法。ごくまれに麻酔が効きすぎてしまったために、陣痛が弱くなり吸引分娩や帝王切開などに切り替えるケースがあります。
無痛分娩を選択したからといって、痛みから逃れられるケースはゼロではないことを覚えておくようにしましょう。
自然分娩がしたい!誘発分娩を断ることはできる?
誘発分娩のデメリットを考えると、自然分娩にしたいという気持ちが強くなった方も多いのではないでしょうか。
確かに、誘発分娩の一つである陣痛促進剤の不適切な使用により、強すぎる陣痛、子宮破裂、胎児の脳に障害が残ってしまうなどの事故例も報告されています。
できるだけ薬に頼らない自然なお産が理想だとは思いますが、何らかの理由により誘発分娩の方が安全性が高いと判断される場合もあります。
適切な使用方法が守られるのはもちろんですが、薬と自然のどちらか一方にこだわりすぎることなく、母子の安全を慎重に考慮した臨機応変な対応が最も重要といえるでしょう。
また薬の使用前には同意書へのサインが必要になります。可能であれば出産前に一度、医師の薬の使用に対する考えを詳しく聞いておくようしましょう。医師からの正しい説明を聞けば、安心感を得られると思いますよ。
誘発分娩の費用は?
自然分娩に比べて、誘発分娩の処置をした場合の出産費用は高くなります。子宮を広げるための「バルーン」や陣痛誘発促進剤、無痛分娩の麻酔、帝王切開など自然分娩の費用に加算をされていくのが一般的です。
また誘発分娩を行うためには、出産予定日よりも前に入院することがあります。入院費も自然分娩より多くかかるので、費用の目安を事前にたてておくことをおすすめします。
どのくらいの費用がかかるかは、事前に病院に問い合わせをすれば回答してもらえます。お金の心配は、ストレスの原因にもなりやすいので事前に確認をしておきましょう。また高額医療控除や医療保険などお金の負担が軽減できるものも把握しておくことも大切です。
メリット・デメリットをしっかり理解しておこう
計画分娩の場合は、事前に情報を収集し出産方法を自分で選択ができます。しかし自然分娩の経過状態から、誘発分娩に切り替わる可能性も十分にあり、出産をしている場で誘発分娩のメリット・デメリットは十分に理解をすることは難しいでしょう。
事前に知識を得ておくことは、安心した出産への第一歩。ただし誤った知識と過度な心配は禁物です。人生の一大イベントである出産に備えて、何か不明点があれば医師に相談するようにしてくださいね。
(Photo:http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部