妊娠・出産
知っておきたい!出生前診断のひとつ「羊水検査」の方法や危険性のまとめ
羊水検査はその結果によって胎児の生命が左右されるかもしれない重大な検査であり、倫理的観点から問題視されることもあります。
羊水検査とは
羊水検査とは「出生前診断」のひとつです。出生前診断とは、ダウン症などの胎児の異常を事前に調べるための検査です。高齢出産になるとダウン症のリスクが高まることが知られていることから、35歳以上の妊婦さんの検査率が高くなっています。
生まれてくる子供の先天的な異常は約4%にみつかるといわれ、主な原因は染色体異常や単一遺伝子の異常、母子感染や放射能被曝などです。
日本産婦人科学会は、検査の前後にカウンセリングを受けることを必須条件にしています。
羊水検査の時期と採取方法
羊水検査は妊娠15週~20週位までに行われ、結果がでるまでに通常2週間以上かかります。
検査の前には胎児の心拍や成長度合い、羊水の量などを超音波検査で事前にチェックします。エコーを見ながらお腹に細い針を刺し、羊水を20mlほど採取します。
一度で採取できる場合もあれば、2~3回刺さなければいけないこともあるようです。検査自体はおよそ5分ほどで済みますが、検査後にしばらく安静にし、胎児に異常がないか再度超音波検査をしてからの帰宅になります。
抗生物質や張り止めの薬が処方され、帰宅後も数日は安静にする必要があります。
羊水検査による流産や破水の危険性
羊水検査のリスクとして、0.3%つまり1000人に3人の確率で流産してしまうことがあります。ですが、この確率は自然流産の確率と比較してもそれほど高くないため、流産したすべての人が羊水検査が原因でそうなったとはいえないようです。
また、羊水検査の後に破水してしまうケースもあります。破水した場合は入院と薬物治療で回復する場合が多いようですが、油断は禁物です。
羊水検査で全ての異常はわからない
羊水検査はダウン症などの染色体の数における異常は確実にわかりますが、あらゆる先天的異常がわかるわけではありません。
進歩する出生前診断の検査技術
羊水検査などの出生前診断が、生命の選別に繋がるのではないかといった声も聞かれる中、2013年に妊婦の血液から胎児の染色体異常が正確にわかる新検査法が導入されました。
検査結果を受けてどのような選択をするにしろ、生命の大切さや尊厳を決して忘れてはいけないでしょう。
(Photo:http://free-photos.gatag.net/)
著者: カラダノート編集部