健康診断・健康管理
尿蛋白を下げる食事とは?検査方法から異常値の原因や対処法について
尿蛋白は、尿検査で調べることが出来ます。この検査により、通常は症状が現れにくく、見逃してしまいがちな腎臓機能の低下や腎臓疾患などを早期発見することが出来ます。
尿蛋白は腎臓機能の低下によるもの
腎臓は血液中の栄養素をろ過する働きがあります。基本は丈夫な臓器なので、多少のことでは機能が低下することはありません。またそのため症状が現れることも少ないです。そのため、初期症状や自覚症状も少なく、見逃してしまうことも多いです。尿検査による尿蛋白は早期発見に有効であり、これによって腎臓機能の低下や異常を見つけることが可能になります。
腎臓病の食事療法
尿蛋白が腎臓に関係しているので、尿蛋白値を下げるには腎臓病の食事療法が適しています。
たんぱく質は良質のものを量を加減して
たんぱく質は重要な栄養素で、様々な食品に含まれているので、全く取らないということは不可能です。摂取するならば良質なたんぱく質を量を加減して摂取するようにしましょう。
たんぱく質を体内で効率よく利用できるように
たんぱく質は摂取してもそれを体内で効率よく利用できるようになれば、たんぱく質が体内で増えることも無く、尿蛋白が出ることも少なくなります。たんぱく質を利用するにはある程度のエネルギーが必要なので、バランスよい食事をとるようにしましょう。
食塩を控える
腎臓病の食事療法で重要とされているのが減塩です。塩分の取りすぎは腎臓への負担が大きいので、まず減塩を勧められるのが一般的です。尿蛋白の場合も減塩することによって、数値が大きく改善されることがあるのでぜひ試してみましょう。
尿蛋白がでるということは、腎臓機能が低下しているということです。たんぱく質は良質なものを量を加減して、塩分を控えめにした、それでいて栄養バランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。
尿検査~尿蛋白の原因は塩分にある!?
定期健康診断や尿検査で、尿蛋白値+となることがあります。これは、腎臓機能が低下し、たんぱく質が尿に流れ出てしまっている状態だからです。
それではどうして尿蛋白値が上がってしまうのでしょうか?
今まで尿蛋白値が+になったことがない
今までの検査で尿蛋白値が+になったことがないのに、今回は出てしまったという人は、腎臓疾患ではなく、食生活や生活習慣による腎臓の疲れが原因と考えられます。
腎臓に疾患があったりする人は、慢性的に蛋白尿がでるからです。これは通常機能していれば腎臓でろ過されるため、たんぱく質が尿に混ざって排出されることはないからです。
そして今までは出なかった人が急に現れる時は、腎臓疾患以外のことが原因であることが多いです。
塩分の取りすぎが原因
急に尿蛋白が出てしまった人の多くは、食生活の乱れに心当たりがあるのではないでしょうか?暴飲暴食や多量のアルコール摂取、体重増加など、思い当たる節が多いかもしれません。
そして意外と気がついていない部分での原因が、塩分の取りすぎです。塩分は自分で調理していないと、どれくらい使われているかわからないものです。そのためついつい取りすぎてしまったり、過剰摂取していることに気がつかないことが多いです。
急に尿蛋白値が出てびっくりした人は、塩分の取りすぎに注意した、食生活を心がけるようにしましょう。それだけでも十分効果は得られるはずです。
尿蛋白値が上がったら…塩分・カロリーと・疲労に注意!
尿蛋白値というものがあります。尿検査をした時に尿蛋白値+となったら、注意が必要です。通常であれば尿からたんぱく質は流れでないようになっています。しかし、腎機能が低下していたり、何らかの病気によって腎臓が傷ついている場合は、この尿蛋白値がでるようになってしまいます。
塩分に注意!
今まで尿蛋白値が出なかった人が急に現れた場合は、食生活での塩分の取りすぎが考えられます。最近塩分の多い濃い味付けを好んで食してはいませんか?塩分は腎臓機能を低下する原因になります。腎臓機能が低下した時は真っ先に塩分調整を指導されるほど、腎臓と塩分は密接な関係性にあります。塩分を減らし減塩の食生活にすることで、尿蛋白値は改善されます。
肥満に注意!
尿蛋白値が出る人の多くは肥満症であることが多いです。肥満症であると中性脂肪が多く、腎臓に負担をかけていることになります。そのため尿蛋白値が高い人は肥満症であることが多いのです。最近急に太ってきたなど急激な体重増加にある人は、カロリー摂取量をきちんと考えた食生活をし、肥満を解消するようにしましょう。
ストレスや疲労に注意!
腎臓機能は塩分や肥満だけでなく、ストレスや疲労によってもダメージを受けてしまいます。腎機能が低下すると疲れやすくなったりするのはそのためです。ストレスや疲労を体に残さないような生活を送るようにしましょう。
尿蛋白値が+と現れてしまった人は、カロリー調節と減塩による食生活改善と、ストレスや疲労を残さないような生活習慣に改善するようにしましょう。
尿蛋白の定性検査と定量検査は何が違う?蛋白尿が出ても問題のない場合はどんなとき?
尿蛋白定量検査は通常健康診断の段階では行われない検査です。なぜなら健康診断で行われるのは尿蛋白定性検査になるからです。
では、具体的にこれらの検査はどのような違いがあるのか、そして蛋白尿が出たとしても問題がない場合について詳しく見ていきましょう。
尿蛋白の定性検査と定量検査の違い
一般的に尿蛋白検査は、尿の中に蛋白が含まれているかどうかを調べる検査です。定性検査は簡便な検査方法で、試験紙を尿に浸して陽性か陰性かを判定します。
健康な人でも微量(150mg以下/日)の蛋白が含まれるので、これよりも蛋白の量が多い場合には陽性反応が出るよう試験紙は作られています。尿蛋白の定性検査において陽性と判定され、精密検査を行う場合には、次に定量検査が行われます。
この検査は、正確に尿にどのくらいの量の蛋白が含まれるのか調べる検査です。定量法における基準値は、20-120mg/日であり、この基準値を超えた場合には、疑われる病気の確定診断のため更なる検査を行います。
病気が原因ではない蛋白尿って?
蛋白尿が現れる原因は病気以外にも生理的な原因もあります。第一は運動や発熱を原因とするものです。激しい運動をした後、また発熱時に尿検査をすると蛋白尿が検出されることがあります。入浴後も、同様の検査結果が出る可能性が高いです。
第二は起立性蛋白尿と呼ばれるものです。これは立っている状態が続くことで腎臓につながっている静脈が圧迫され、結果として蛋白尿となります。横になることで尿の中の蛋白はなくなっていきます。
起立性蛋白尿は若年層とりわけ子供に多く、成人になるにつれて起立性蛋白尿の症状はなくなっていきます。
以上のように、通常尿蛋白を調べる上で定性検査が先に行われ、その後より精密に検査する上で定量法が用いられます。
しかし、これらで陽性が出たからといって必ず何らかの病気が原因であるというわけではなく、生理的な原因もあるという点を覚えておくと良いでしょう。
尿蛋白が高い原因とは?病気で高くなるのは大丈夫?
尿検査で『尿蛋白』が陽性になったことありませんか?尿蛋白とは、何らかの原因で尿の中に蛋白が増加することです。
通常私たちの尿の中には蛋白が入っていません。では、どんなときに増加し、どんなとき注意すべきなのかお話します。
●一過性の尿蛋白とは?
生理的な影響によって一過性の蛋白尿がでるものです。
・激しい運動、発熱、入浴後に起こる
・起立することで、腎臓の静脈が圧迫されて起こる
・妊娠
・月経前後
・ストレス
これらの一過性の尿蛋白は特に心配ありません。
●病的な尿蛋白
1.腎前性蛋白尿
腎臓自体には異常はありませんが、腎臓以外の臓器障害や感染症・悪性腫瘍などによって起こることがあります。
腎臓の機能は正常に働いた状態ですので、大きい分子の蛋白は出現しません。
・多発性骨髄腫
・溶血性貧血
・膠原病
・心不全 などの病気があります。
2.腎性蛋白尿
・急性腎炎
・慢性腎炎
・ビタミンD中毒 などがあります。
3.腎後性蛋白尿
前立腺炎や膀胱炎などの炎症や腎臓より下部の腫瘍などの影響で蛋白尿になります。
蛋白尿が持続する場合は注意が必要!
1日の尿蛋白の量は0.1グラム以下が正常です。
0.6~3.4グラムまでが中程度、3.5グラムを超えると高度と分けられます。
中程度以上の蛋白尿が続いているという方は要注意です。慢性腎臓病の疾患があるといえます。
高度の蛋白尿が出ている人は、身体のむくみなどの症状も出ていることもあります。
健康診断などで尿蛋白が出た場合は、悪化を防ぐため、早めに検査をすることをおすすめします。
尿蛋白は血尿は重大な病のサインであることもあります。
尿蛋白値を改善させる食事とは?どんな食品を?
尿蛋白とは、尿にたんぱく質が溶け出している状態です。通常は腎臓でろ過され尿にたんぱく質が漏れ出すことはありません。しかし腎臓が何らかの異常をきたしている場合や、疾患などにより腎臓機能が正常に働かなくなってくると、尿にたんぱく質が現れてしまいます。
たんぱく質の多い食品
魚介類・肉類・卵(卵製品)・大豆類
特に卵や卵製品、動物性油脂などにたんぱく質は多く含まれています。たんぱく質を多く含む食品を過剰摂取したり、好んで食している人は注意が必要で、食生活の改善をする必要があります。
良質なたんぱく質を量を減らして摂取
たんぱく質は様々な食品に含まれているため、たんぱく質を全く摂取しないということはできません。またたんぱく質は重要な栄養素でもあるため、適度に摂取することが必要となります。腎臓機能の状態に合わせて、良質のたんぱく質を量を少し減らして摂取するようにしましょう。
食生活改善方法
乳製品・卵・卵食品・肉・動物性油脂などの摂取を控える
果物・海草・魚・玄米・野菜・オリーブオイルなどを積極的に取り入れる
動物性たんぱく質は、腎臓への負担が大きくなります。植物性たんぱく質を摂取するようにしましょう。減塩や暴飲暴食などにも気をつけて、規則正しい生活や、栄養バランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。
腎臓の問題を素早く発見!尿蛋白定量検査から分かることって?異常値から考えられる腎臓病とは
人間の体に必要な存在である蛋白質はやがては何らかの形で体外に排出されます。
例えば人間の排泄物としてもっともよく知られているのは尿で、尿にも蛋白質は含まれています。
●尿蛋白
尿に蛋白質が含まれること自体は当然ですが、あまりにも多くの蛋白質が含まれているのは問題です。
体内で蛋白質が作られ過ぎて腎臓の処理能力を超えている、腎臓機能が弱っていて必要なたんぱく質を出してしまうなどの問題が考えられます。
尿蛋白が異常とされるのは1日150㎎以上の蛋白質排泄で、基本的には1日120㎎くらいまでであれば健康と判断されます。
●尿蛋白定量検査とは?
尿に関する検査には尿潜血などの検査もありますが、実はこれらの検査では検査結果が(+)(-)、陽性と陰性で出されることが多いのです。
このことから、実際に何mgの対象物質(尿蛋白で言えば蛋白質)が入っているのかがわからないという問題があります。
陽性、陰性などで示される検査を定性検査といい、細かな数字を出す検査を定量検査と言います。
尿蛋白定性検査だとしたら尿に蛋白質があるかどうかがわかり、尿蛋白定量検査では尿にどれくらい蛋白質があるかわかります。
尿には元々健康であっても蛋白質が含まれているので、尿蛋白から病気を予測するには定量検査が必要と言えます。
●尿蛋白異常値から考えられる腎臓病
尿を作っているのは腎臓ですので、尿に異常が出た場合にはまず腎臓の働きが異常ではないかと考えるケースが多いです。
例えば急性慢性を問わずに腎炎の場合は尿蛋白定量検査で異常値が出ますし、ネフローゼ症候群、尿管結石などでも異常値が出ます。
尿蛋白はもともと人間の体に40-120㎎/日程度は含まれている存在ですので、陽性陰性で測る定性検査ではなく量を測る定量検査を行います。
尿蛋白があまりにも多く含まれているときに考えられる病気には腎臓病の他妊娠中毒症などもあります。
(Photo by: http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部