生活習慣病
見逃さないで!わかりにくい狭心症の初期症状・心不全の徴候には要注意!
狭心症は、突然死を引き起こす心筋梗塞の一歩手前の状態です。命に関わる病気にも関わらず、その症状は案外わかりにくいことをご存知でしょうか。
実は、狭心症と「胸焼け・消化不良」の症状は似ていることがあります。狭心症の初期症状についてまとめてみました。
狭心症とは?
心臓に血液を届けている「冠動脈」という血管が、動脈硬化や血管の攣縮(けいれん)などにより細くなり、一時的に心臓への血液の供給が途絶えてしまう病気です。
狭心症の初期症状とは?
胸部の不快感、胸が締め付けられる感じ、圧迫感、痛み、焼けつくような感じ、しびれる感じ、膨満感など。
初期症状を見てみると、胸の不快感や焼けつくような感じ、圧迫感などが、胸焼けや消化不良に似ていることがわかります。特に軽度の狭心症の場合は、症状がわかりにくいこともあります。
狭心症と胸焼け・消化不良の見分け方
・症状のある場所
焼け・消化不良の場合は、胸~喉にかけての違和感や焼けつく感じなどがあるのが特徴です。逆に狭心症の場合は、胸~喉・肩にかけて症状があります。
・症状の起きる時間帯
食後に悪化するかどうかも大きなポイントです。食後に悪化するようなら、胸焼けの可能性が高いと言えます。
・他の症状の有無
吐き気や不安感、背中の痛み、息切れ、急な発汗など、何か他の症状がある場合は、安易に「胸焼けだろう」と判断せず、受診をしましょう。
日頃から高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満など、心臓病のリスクが高い方は、「最近胸焼けが気になるなぁ」ということがあれば、健康診断や定期受診の際に必ず医師に申告しましょう。心臓の血管に、知らず知らずのうちに異常が起きている可能性があります。
心臓病の前兆症状は自分で気づけない…気づけない理由とは?だからこそ大切な周囲の目
何となく疲労感があるとき、原因は何だと思うでしょうか?
仕事のし過ぎでしょうか?年のせいでしょうか?心臓病の症状ということはないでしょうか?
日本人の死因の中でも上位に入る心臓病ですが、きちんと予兆があってもそれを無視して生活してしまう人が多くいるようです。
心臓病は「いきなり胸が痛くなる」ばかりではない!
心臓病のイメージは、心臓発作がいきなり起こるように、突然胸が苦しくなってその場に倒れ込むと思っている人が多くいるようです。
しかし多くの場合で、こうした決定的な症状になる前に、前兆となる症状が見られます。
小さなサインで、自分では気のせいと思ってしまいがちなものが多いですが、それに気づくことが、大きな病気につながらないためには大切です。
心臓病の小さなサインは、自分では気づきにくい!
残念ながら、心臓病の前兆症状である小さなサインに、自分で気づくのは難しいです。
・自分では重大に考えない
前兆症状としてあるのが、胸の違和感、胃のムカつき、吐き気、肩の凝り、疲労感、少ない運動での息切れなどです。
例えば、体のだるさは、仕事が忙しいときにもみられますから、わざわざ重症に考えずに「仕事が忙しくて疲れているだけ」と思いがちですし、階段で息切れしても「運動不足かな」と思いがちです。
本人は、わざわざ自分の症状を重大にとらえず、「いつものこと」の中で処理してしまう傾向があります。
・体が症状に慣れてしまう
また、長く同じ症状が続くと、その症状があることに体が慣れてしまいます。そのため、症状があっても気にしなくなってしまい、ますます自分で気づくことが難しくなるのです。
だからこそ大事なのが周りの目です。周りの人はその人の体調を心配して、小さなサインでも「大丈夫かな?」と思えますよね。
周りの人が気づいてあげたい!こんな症状
周りの人は、心臓病の前兆症状のどんな点に気づいてあげることができるのでしょうか。
・胸を触る動作
体の痛い部分に手を触れる動作は、人間が本能的に痛みを和らげようとしてやる動作です。
そのため胸周辺に痛みや違和感があると、無意識のままそこに手を添えたり、胸部分の服を握っていたりします。
・左肩の凝りを気にする
左肩と心臓の知覚神経が近いため、左肩だけが凝ることがあります。
特に左の肩が凝るような理由がないのに、左の肩をいつも触っていたり、ほぐしているようであれば心臓病の可能性があります。
・動作が遅い
心臓病に負担がかかったときに、息切れや胸の痛みなどを生じていると、だんだんと心臓に負担がかかる動作を避けるようになっていきます。
これは無意識に自分の体を守ろうとして行っているもので、一緒に歩いているときに、遅れてついてくるなどの動作が見られたら、心臓病の可能性があります。
家族などの、一緒にいる時間が多い人は、その人の異変に気づきにくいです。
ときどき、健康に自信がある人は特に、「あなたの健康のために病院に行って」と言っても聞かないことがありますから、「私が心配だから病院に行って」と言葉を変えるなどして、検査を勧めてあげてください。
こんな前兆が出たら救急車を呼んで!心臓病の3大前兆
心臓病は、発作が起きてからでは手遅れになる場合もあります。
突然の心筋梗塞発作でそのまま亡くなる方も少なからずおり、心臓病の発作の前兆が出た時にはすぐに救急車を呼ぶ必要があります。
ここでは心臓病の発作の前兆を3つ紹介します。いずれの前兆が出た場合でも救急車を呼んで病院へ行ってください。
●心臓病の前兆1.胸の圧迫感や締め付け
胸の圧迫感や締め付けは、ずっとぎゅーっと締め付けられるような痛みの場合もあれば、ちょっと痛んではちょっと平気になるといったような痛みの場合もあります。
いずれにしても胸のあたりをギュッと締め付けられるような、不快感を伴う症状です。
●心臓病の前兆2.胸の不快感の広がり
前兆1では胸だけだった不快感が全身に広がっていく感じがしたらいよいよ注意が必要です。
心臓のポンプ機能が何らかの原因で失われ(もしくは一時的に停止し)、全身の血管を通して体のあらゆる場所に影響を及ぼしている可能性があります。
肩やあご、腕などにまで胸の不快感がじんわり広がっていくような症状は、心臓病の前兆です。
●心臓病の前兆3.めまいや息切れ、発汗
ここまで来ると立っているのもやっとだったり、自分では苦しくて救急車を呼べない場合もあります。
とりあえず周囲に人がいるなら助けを求めて、救急車を呼んでもらえるように説明してください。
突然の急な発汗に続いて気を失う可能性もありますので、意識のあるうちに早く救急車を呼ぶのが大事です。
心臓病の前兆は胸の締め付けやめまいなど様々な症状があり、救急車を呼んで一刻も早く病院へいかなければいけません。
救急車が来るまでにはアスピリン錠を噛んで飲み込むのも有効とアメリカ心臓学会は提唱しています。
心不全の徴候には要注意!
心臓に故障がある場合、心不全はゆっくりと悪くなることが多いのですが、まれに突然悪化することもあります。徴候を早めにキャッチして治療することが重要です。
変だな、と感じるだけでなく、手遅れにならないように、「心臓の状態のサインを知る」のも大切なことです。
心臓が機能しない
心不全は心臓の機能が低下している状態です。心臓の右側が主に悪い場合と、左側に悪い部分がある場合では症状がちがいますが、いずれも心臓のポンプ機能が低下して、命に関わります。
動脈硬化が悪化している場合には、脳梗塞などの危険性も高まります。狭心症や動脈硬化などの循環器系疾患がある場合には、つぎのような症状があったら要注意です。
1.血液を送ることができないためにおきる症状
つかれやすい、だるい:全身に十分な酸素が送れなくなっています。 青白い顔色や、冷や汗、不安症状などがおきます
手足の冷え:血圧が低下して、手足が冷たくなります。
2.うっ血からくる症状
息苦しい:肺に水がたまり、肺を圧迫します。
息切れ:運動しなくても息が切れる。安静時にも仰向けになると喘鳴(ぜいめい)が起きる。
起坐呼吸(きざこきゅう):座っている状態で少しらくに息ができる。
足のむくみ:足を指でしばらく押さえてから離すとくぼみができる。
おなかが張る:食欲が落ちる、肝臓や内臓に水がたまって圧迫される。
心配なときはすぐに病院へ
心不全はいったん徴候が隠れることもあり、その間に悪化するというケースもあります。心臓に心配がある方は、こうした徴候があったら、すぐに病院へ。
急激に症状が出た場合には、迷わず救急車を呼びましょう。
心不全の原因はさまざまですが、死の危険があります。こうした不安を抱き続けることはストレスにもなりますから、周囲の方にも理解してもらい、とっさのときに対処できるようにしましょう。
こんな症状があるときは要注意!心筋梗塞の前兆について
我が国の死亡率の第一位は『癌』、次いで二位は『心臓病』であることはご存じでしょうか。中でも、「心筋梗塞」は、突然死の原因になることが非常に多い、恐ろしい症状です。
男性の発症率が女性の3倍弱も多いと言われています。
では、そのような「事故のような突然死」につながりやすい心臓病を、事前に予測出来るようなサイン、【前兆】はどういったものがあるのでしょうか。
その前兆について、いくつか例をあげてみたいと思います。
心筋梗塞の前兆
・最近、胸に激しい痛みを感じたことがある。
・最近、1カ月以内に、胸に痛みや圧迫感をおぼえたことがある。
・肩や背中が痛い。
・不整脈がある。
・食欲がない。または最近食欲が低下した気がする。
・呼吸困難や息切れをしやすい。
・ 意識を失うようなことがある。
・ 冷や汗や脂汗など、変な汗をかくようになった。
・左手小指が痛むことがある。
・ 欧気や嘔吐がある。
上記のような症状が、心筋梗塞を超す一歩手前の状態、つまり『心筋梗塞の前兆』と言える症状です。
心筋梗塞は発症して、症状が顕著に出てしまった場合には、命に関わる事態に陥ることが多いです。
発見や処置が早かった場合など、未然に防げた場合と、発症してしまった後での生存率には圧倒的な差が見られます。
このような症状がみられた場合には、直ぐに循環器内科などの専門医を受診し、精密検査を受けましょう。
また、加えて、血圧が高い・高脂血症と指摘された事があったり、喫煙歴や肥満症などがある場合には、狭心症やその他の心臓病や生活習慣病になるリスクがかなり高くなると言われています。
ご自分のライフスタイルを一度きちんと見直して、定期的に専門医を受診することをお勧めします。
(photo by:http://www.ashinari.com/)
著者: カラダノート編集部