女性のカラダの悩み
おりものの色や形状でわかる、あなたはどの病気?正常なおりものの状態をしっかり理解しよう!要注意なおりものとは?
おりものは子宮や外性器、膣の分泌物が混ざったもので、卵巣や子宮を細菌から守るだけではなく受精を手助けする重要な役割を果たしています。
でも、おりものの量や臭い、色がいつもと違うときは何らかの病気の可能性があります。具体的にどのような病気の可能性があるのか、ここでしっかりと見ていきましょう。
おりもの状態別、疑いのある病気
■おりものの量が多い場合
おりものの量が多い場合は、子宮頸部びらんや単純性膣炎の疑いがあります。
■黄色や緑色で泡状のおりものが出た場合
トリコモナス膣炎の疑いがあります。トリコモナス膣炎は一度感染してしまうと自然治癒することはないため、婦人科にいって抗トリコモナス剤を用いた薬剤治療を行う必要があります。
■おりものが白いカッテージチーズのような形状で、かゆみを伴う場合
カンジダ膣炎の可能性があります。カンジダ菌はもともと体内に存在する菌ですが、身体の抵抗力が落ちたときなどに、この菌が異常繁殖します。カンジダ膣炎はがまんができないぐらいのかゆみの症状が出るのが特徴的です。
■黄色や緑色のおりもので、うみ状の場合
淋病、子宮頚管炎、クラミジア感染症の疑いがあります。特に淋病とクラミジア感染症は同時感染する場合が多く、おりものにこの症状が強く出る場合があります。
また、淋病からは子宮頚管炎を発症するので、これらは3つとも関連している病気といえます。これらの病気を放置すると、菌が卵巣や卵管にも達し、不妊症や子宮外妊娠のリスクが高まるとされています。
以上のように、おりものの状態一つとっても、婦人科系の病気のいずれかの疑いがありますので、異常を発見した場合はできるだけ早く婦人科に診てもらった方が良いでしょう。
異常?正常?正常なおりものの状態をしっかり理解しよう!
おりものは膣などからの分泌物で、おりものの異常から様々な病気の有無がわかるといわれていますが、おりものの量や状態には年齢だけではなく個人差もあります。
それでも、おおよその目安として、正常なおりものの状態をここでしっかりと確認していきましょう。
■8歳から10代にかけてのおりもの
初経が来る前におりものはほとんどありません。初経が始まる前から卵胞ホルモンが分泌し始め、おりものが少量分泌し始めますので、初経が近いということがわかるでしょう。
■20代のおりもの
おりものが分泌される場所として、バルトリン腺や子宮頚管からの分泌が多くなりますが、においはあまり強くありません。
量は10代のころと比べて多くなります。その背景には卵胞ホルモンの分泌がピークを迎え、ホルモンバランスが安定し、女性として成熟している証拠といえます。
■30代のおりもの
30代になると、20代と比べておりものの量に変化はありませんが、においがきつくなります。これは女性ホルモンの分泌が増加し、卵巣機能が成熟期の後半にさしかかるからとされています。
■妊娠期のおりもの
年代にかかわらず、妊娠期のおりものは色が乳白色の場合があります。量は引き続き多く、子宮内膜を守る役割を果たしています。
■40代から閉経以降のおりもの
40代以降はおりものの量は減っていき、閉経後はおりものはほとんどなくなります。女性ホルモンが急激に減少することと関係し、この減少にからだが順応できないと更年期障害といった形で症状が現れます。
おりものも以上のように年代で異なり、その背景には女性ホルモンの分泌量・卵巣機能などが深く関わっています。ただ、繰り返しますが個人差があるのでいつもと違うなと思ったときは、病院で診てもらった方が良いでしょう。
気になる「おりもの」の色!黄色やピンク色は病気?正常な色はこれ!
あなたの「おりもの」の色は何色でしょうか?
他人と比較することのできないおりものは、同じ「黄色」と言っていても、人によって感覚が異なっていたりして、共通のものを指しているとは限りません。
そのため、あなたが思っている「健康なおりものの色」は、本来体の異常を示しているもだったということもあるかもしれません。
色で確認しよう!おりものの正常と異常
おりものが正常か異常か、つまり健康か不健康を判断する大きな基準のひとつが、おりものの「色」です。
■「無色透明」「白っぽい半透明」は正常!
普段のおりものの色が、無色透明であったり、ちょっと白っぽく半透明になっているのであれば、それは正常と言えます。
これが本来のおりものの色で、触った感覚もあわせて「卵白のよう」と言われることも多くあります。
無色透明や半透明といった色の違いは時期に関係していて、基本的には排卵の前になると透明で、触ると伸びやすいおりものになります。
そして排卵が終わったころになると白っぽい、比較的伸びないおりものに変化します。
■「乾くと薄く黄色っぽい色」は正常!
時と場合によっては、おりものが薄く黄色っぽい色に見えることがあります。
普段のおりものが無色透明や半透明の人であっても、こうしたおりものが見られることがあります。
こうしたおりものは、下着やナプキンに付着し、乾燥した状態のもので、本来のおりものの色から変色したおりものなのです。
■「血が混じったような色」「ピンクっぽいおりもの」「茶色いおりもの」はどちらの可能性も…
血が混じっているといっても、鮮血でイメージするような鮮やかな血の色ではなく、ピンクっぽい色や、混ざった血が変色した茶色っぽい色であることが多いです。
そうしたおりものの場合、正常、異常どちらの場合も考えられます。
正常なおりものに、少し血が混じることがあります。しかし血が混じったからと言ってすぐに異常ということではなく、特に排卵期には特有の症状で、特段心配する必要はありません。
一方で、明らかに少しという量ではない濃さで血が混じることがあります。
同時に排卵期ではないのに血が混じったり、ニオイやかゆみといった他の症状も併発している場合には、不正出血がおりものに混ざっているのだと考えた方がよいでしょう。
不正出血は婦人科系の多くの病気の前兆になりますので、一度病院で調べてもらった方が賢明です。
■「黄白色」「黄緑色」は異常の可能性
黄色っぽいおりものは正常なおりものでも出てきましたが、湿った状態で黄色い状態だったり、悪臭を伴ったりする場合は、膣炎や感染症の可能性があります。
また、症状が進むとおりものに細菌が多く混入して、黄緑色っぽくなることもあります。
<あなたのおりものは何色ですか?>
普段の自分のおりものの色は正常な色だったでしょうか?
正常な色を知るとともに、普段の色の変化の仕方もよく把握しておき、色の変化があった時には見逃さないようにしてあげましょう。
おりものはいろいろなところから分泌されている?おりものの特徴について
おりものは子宮・子宮頚管からの分泌物が膣外に出たもので、帯下ともいいます。このおりものは分泌される部分に応じて成分に違いがあることはあまり知られていません。
詳しいおりものの内容について、ここでしっかり理解しておきましょう。
おりものが分泌される場所は大きくわけて4つ
1. 前庭帯下
膣前庭は小陰唇に左右を囲まれた部分で、膣口の外縁にあたる部分です。この部分にある汗腺・皮脂腺・粘液線(スケネ腺・バルトリン腺)などからおりものが分泌されます。このおりものに何らかの異常が生じている場合は、外陰炎・外陰がんの恐れがあります。
2. 膣帯下
膣は薄い筋層に囲まれているおよそ8cm程度の長さの筒状の器官です。膣の粘膜にはおりものを分泌する分泌腺はありません。しかし、膣壁の血管・リンパ管からろ出液が多量に分泌されおりものとして外に現れます。
膣からのおりものに異常がある場合は、トリコモナス膣炎、カンジダ症、膣内異物などの可能性があるので注意が必要です。
3. 頚管帯下
子宮頚管は子宮頚部と膣上部から成り立っていて、そこにある頚管腺から分泌液が産出されます。頚管帯下からのおりものに異常がある場合は、膣部びらんの可能性があります。
4. 子宮帯下
子宮は直腸と膀胱の間にある組織で、成熟した子宮は長さがおよそ8cm、重さは約50gで、形は西洋ナシのような器官です。子宮体部の粘膜には分泌腺がたくさんあり、ここから粘液が分泌されます。
ここからのおりものに異常が見られる場合には、子宮頸がん、子宮内膜筋層炎、子宮体がんといった病気のリスクがあるので、早めに病院に行って診察してもらうことをお勧めします。
以上のようにおりものといっても分泌される場所が異なり、またおりものの異常は分泌される場所によって、様々な病気の可能性を示しています。
多い?少ない?分泌量で考えるおりもの
「おりものの量が多いのでは?」と心配になったことはありませんか?ふだんのおりものの量や、おりものの量の変化が気になるかもしれません。
「量」からおりものの異常や変化を説明します。
ふつうはどのくらい?
自分のおりものの量が正常かどうかの判断は、どこでしたら良いでしょうか。
ホルモンの変化によって分泌量も変わりますが、市販のおりものシート(パンティーライナー)で済むなら正常の範囲でしょう。生理用のナプキンを使わないと下着を汚してしまうくらいなら、何か異常があるかもしれません。
常におりものがあるのは病気ではないかと不安になる人もいるでしょう。おりものは膣内を雑菌から守る役割を果たしているため、量の多少はありますが、常にあるのがふつうです。
ホルモンバランスによる量の増減
まず、第二次性徴が始まる思春期におりものの分泌が始まります。生理より先におりものが分泌されるようになります。
生殖機能が安定すると、生理周期によっておりものの量が増減します。エストロゲンの分泌が増える排卵日の前後から生理の始まりまでが、おりものの多い期間です。
妊娠するとエストロゲンの分泌が増えるため、おりものも多くなります。
注意が必要な変化
おりものの量が増え、出血をともなうようなら子宮膣部びらんかもしれません。子宮膣部びらんは、おりもの量がふえるだけで匂いの変化はありません。外陰部の痒みもないのが特徴です。成人女性の80%に起こる症状といわれます。出血が続くなら、婦人科を受診してください。
第二次性徴が始まる前や閉経後は、おりものが少ないかほとんどないのがふつうです。この時期におりものがたくさん分泌されるなら、婦人科で検査を受けましょう。
あまり量を気にし過ぎる必要はありませんが、量以外にも気になる点があるなら婦人科に相談してください。
要注意なおりものとは?ゼリー状でのびる・刺激臭・血が混じるおりものは?!
おりものは、女性にとっては馴染み深い存在です。
思春期を迎えたころからおりものシートを使って対処しているという方も多いでしょう。
そんなおりものの正体、役割についてと、要注意なおりものの状態を見てみましょう。
おりものの正体とは?
おりものの正体は、子宮頸管粘液・膣分泌液などさまざまな「膣・子宮から出される粘液」と「組織片」の混ざったものです。
組織片は、たとえば膣の内部の膣壁がはがれたものなども含まれます。
体の外でいえば垢のようなものです。
平均的なおりもの
平均的なおりものは透明か白っぽい、もしくは黄色っぽい色をしており、やや甘酸っぱい香りがします。
1ヶ月の間で量が変わることはよくあり、どちらかと言えば排卵近くなるとおりものが多くなったり、ねばつくおりものが出たりします。
おりものの役割
おりものは体外から細菌が侵入したとき、細菌が膣内で繁殖しないようにする役割があります。また、受精を助けたり、膣内を乾燥させないようにするなど、女性にとって大切な役割をしています。
要注意なおりもの
おりものに血が混じったり、刺激臭がする場合には要注意!
おりものは、膣内の異常を知らせるためにも活躍します。
もしも、普段よりも圧倒的におりものが多かったり、カッテージチーズ状のおりものが出たり、または出血が見られるときには注意が必要です。
膣炎や子宮・膣関係の何らかの病気にかかっている可能性があるので、婦人科に行って詳しい検査を受けた方がよいです。
おりものの量は人によって大きく違うので、それほど気にすることはありませんが、血が混じっているときやひどい臭いがするときは病院へ行きましょう。
ゼリー状のおりものについて
おりものは、粘性の液体です。
ゼリー状のドロッとしたおりものだと、ティッシュつまめるほどのかたさがあります。これが月に1,2回出て、気になるとい方もいるのではないでしょうか?
ゼリー状のおりものは排卵期のおりもの
女性の体にとって重要な性周期の中でも、排卵期は妊娠と深くかかわっています。
卵胞から卵子が出てくるのが排卵期の特徴で、妊娠をのぞむなら排卵期・排卵日のタイミングを見て性交渉を持つようにするとよいです。
そんな排卵期のおりものには、子宮頸管粘液という少しかための粘液がふくまれるので、排卵期にゼリー状のおりものが出ても心配は要りません。
子宮頸管粘液が排卵期に多く出る理由
子宮頸管粘液は本来、子宮頸管を満たしている粘液のことですが、排卵期が近づくにつれてピークを迎える卵胞ホルモンが子宮頸管粘液の分泌を促進しています。
いっぽうで、排卵期が終わって月経が近づいてくると、卵胞ホルモンは減ってきます。
子宮頸管粘液も減ってきて、ゼリー状のおりものは見られなくなります。
ゼリー状のおりものが危険な場合って?
ゼリー状のおりものがなんらかの病気である可能性は低いですが、妊娠という観点から見ると、糸を引かないほどかたいおりものは、あまりよくありません。
排卵期のゼリー状の子宮頸管粘液をふくむおりものでも、糸を引く・伸びるくらいの方が精子を受け入れやすいのです。
ゼリー状でかためのおりものは、精子を受け入れにくいので、やや妊娠しにくくなるケースがあるため、妊娠を強く望む場合にはデメリットとなることがあります。
排卵期の量が多い時期は、快適に過ごせるようにおりものシートを活用するといいでしょう。おりものシートは、量にもよりますが、こまめに取り替えると衛生的です。
(Photo by: http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部