気になる病気・症状
巻き爪を防止するための正しい爪の切り方とは?巻き爪の症状と予防法は?
生えかわる過程で巻き爪に?爪下血腫から起こる巻き爪の症状と予防
爪の下が内出血を起こして血栓ができる爪下血腫は、ほとんどの場合は自然治癒するので心配不要です。しかし足指の爪では、爪下血腫から巻き爪になることもあります。爪下血腫と巻き爪の症状をまとめました。
爪下血腫で起こる巻き爪
打撲や圧迫によって足指の爪に爪下血腫を生じた場合、爪が生えかわるのを待てば血腫が自然に消え、元通りの爪になります。しかし爪が生えかわる過程で巻き爪になる可能性もあります。重度の内出血で大きな血栓が生じたり、爪下組織にダメージが加わったりすると、巻き爪のリスクが高いでしょう。
巻き爪は指に対して爪の曲率が増す状態です。指の上面に対して60度以上の巻きが生じると痛みも強くなります。爪下血腫の部分で爪が浮き上がり、爪先が巻いてしまうケースが多いようです。
ケガによる爪下血腫では、打撲などによって足が痛むので足に負担がかからないようにしがちです。足に負荷がかからない状態だと、巻き爪が生じやすいといわれます。
巻き爪の症状
爪先の両端が湾曲して指先に食い込んでくる状態が巻き爪です。足指に多く生じ、足先が細くなった靴を履くと頻発します。足に力を入れて踏みしめる動作で痛みが起き、階段の昇降、ランニング、登山などで痛みが強まります。
巻き爪から爪の先端が指に食い込む陥入爪に至るケースもあり、早急な処置が必要です。
爪下血腫から巻き爪にならないためには
爪下の内出血が激しく、大きな血栓ができた場合は、自然治癒に任せず外科や整形外科、形成外科を受診しましょう。爪に穴をあけて血を抜く処置を受けられます。巻き爪の傾向がみられた時も、医師に見せた方が良いでしょう。
巻き爪は悪化すると歩行時にも痛みを感じます。爪下血腫を軽く考えず、程度が重いなら病院へ行くことをお勧めします。
内臓疾患の兆候としての爪異常とは?
正常ならばスッキリとした綺麗な形状で発育する爪ですが、様々な要因で爪の形がいびつに変化する異常が発生します。
大抵が爪とその周辺の病気が原因なのですが、それ以外にも、爪の変化には内臓疾患の兆候という側面も存在するのです。
爪の成長には体内の栄養バランスが大きく関わっており、内臓疾患によって吸収する栄養のバランスが崩れることで、その影響が爪に現れることとなります。
■内臓疾患による爪の異常
●爪に現れる内臓の異常
爪の成長には、その人の健康状態を敏感に反映させる特徴があります。単に爪が変形するだけでなく、明らかに異常な爪の成長異常が見られる場合、内臓の異常などが疑われ、皮膚科よりも内科の病院に行くことが望ましい場合もあるのです。
●爪に現れる病気の兆候
1.時計皿爪
バチ状爪とも呼ばれ、爪全体が時計ガラスのように丸く隆起し、指の先端が熱く肥大します。この場合、慢性の心疾患や肺疾患を発症している兆候として現れることがあります。
2.スプーン爪
爪の中央が陥没しスプーンのような形となる爪の変形ですが、これは鉄欠乏性貧血によって見られる爪の成長異常です。
3.爪甲横溝
爪に横の方向に溝が走り、一見外傷のように見える爪の異常ですが、感染症や糖尿病の兆候である可能性もあります。
4.爪甲縦溝
爪に縦の方向に溝が走る変形ですが、この場合病気ではなく、老化現象の一環として現れる爪の異常です。
爪に兆候が現れる代表例だけでも、心疾患や肺疾患、そして貧血に感染症など様々な病気の兆候が考えられます。こうした爪の異常は、当然皮膚科の治療で治せる範囲にとどまらず、内臓への専門的な治療が必須となります。
病気の兆候である爪の異常形態を頭に入れておけば、早期発見・早期治療に繋がるかもしれません。
爪への兆候が現れる疾患の治療法とは?
爪に異常が現れたからと、爪にだけ問題があるとも限りません。
爪は内臓の異常が反映されやすい器官であり、多くの内臓疾患の症状が爪の異常として現れます。
爪の異常を見ることで、内臓の状態をある程度知ることができるほどです。
そしてその爪の異常は、原因の内臓が健康になるまで治ることは殆どなく、一時的に対症療法を繰り返しても、その度に再発するのです。
内臓疾患による爪の異常を直すには、その原因となる疾患を治療するしかありません。
●内臓の異常が現れる爪
爪の形は、内臓の異常などの一部の疾患によって変形が起こることがあり、この爪の変形は巻き爪や陥入爪のように爪の治療の必要はありません。
▼原因疾患を治療しないと治らない
爪に異常を表している原因疾患を治療しない限り、形だけ爪を治療しても決して治ることはないと言えます。
●それぞれの爪の異常に必要な治療
1.時計皿爪
爪全体が時計のガラスのように丸く隆起するこの時計皿爪は、原因となる心臓疾患か肺の疾患を治療することが必要です。
2.スプーン爪
爪がスプーンの様になっている原因は鉄分が不足していることを示し、不足した鉄分を補充する食事療法が有効となります。
3.爪甲横溝
爪の傷とも思える横溝は、感染症や糖尿病の可能性があり、感染症の場合は治療が可能です。感染症の完治により爪の成長も正常となります。
4.爪甲縦溝
爪の縦溝は老化が原因であるため、完治させることは老化を食い止めることと同様に難しいこととなります。
アンチエイジングなどで老化を遅らせることで、症状を緩和することはできるでしょう。
加齢や感染症など、予防できることが難しい場合もありますが、その他の疾患、特に鉄分不足などは、日頃の食事改善などで解決できるでしょう。
心疾患や肺疾患なども早期に治療を始めることで、回復する見込みは十分あるはずです。
早期治療を始めるためにも、内臓の兆候が現れる爪の変化は常に気にしておいた方がよいかもしれません。
正しい爪の切り方をしよう!巻き爪防止
爪の切り方は大事です。
爪の切り方をあやまると、爪が正しく伸びていかないために様々な疾患が起こります。
その代表が巻き爪です。
巻き爪とは爪の両端が丸まってしまい、肉に食い込んでいる状態をいいます。
進行すると、食い込んだところから傷ができ、雑菌などが入り込んで化膿したり、水虫なったりすることがあります。
そうならないよう、正しい爪の切り方をマスターしていきましょう。
爪は白い部分を残します
白い部分を2ミリ程度残すようにします。
目安としては指に対して垂直に壁にあて、爪がつかない程度に切り取るのがいいです。
これより切りすぎてしまうと、深爪といって、爪に隠れているべき部分が露出して、細菌感染のリスクが高まるばかりでなく、巻き爪の原因になることがあります。
爪は横一線に切ります
アーチ状に切らずに、まずは横一線に切り、最後にとがった角を斜めに切除します。
このとき靴下などににひっかかったりしないように、やすりをかけてください。横からななめに切って、三角の形にして先端だけ切る方法や、最初からアーチ型に切る方法だと、深爪になりやすいので、最初は横一線から切ってください。
伸ばし過ぎないようにする
逆に伸ばしすぎても、割れたりささくれたりする原因になるので、伸びすぎないうちに切るようにします。
指先の保湿をします
指先も血行が悪くなると、爪が乾燥して変形しやすくなってきます。保湿やマッサージを行うと、健康な爪が保持しやすくなります。
爪のケアも日々健康に過ごすためには大事なことですので、怠らないようにケアしていきたいものです。
爪の異常を予防するための対策とは
爪の異常を予防すると一口に言っても、その原因は様々なものが考えられます。
代表的な爪の異常の原因としてあげられるのが、爪への継続的な圧力などによる変形、そして内臓疾患など別の病気の兆候として現れる爪の成長異常です。
それぞれの爪の異常には、当然別々の予防対策が必要となります。
爪の異変の主な原因
爪は放っておいてもどんどん成長し、頻繁に切らなければいけない体毛に次ぐ、人体で最も活発に伸びる器官であると言えます。
その爪に異変が起こる原因には、継続的な爪への負担の継続、内臓疾患の影響による成長異常、そして水虫菌による浸食などが考えられます。
爪の変化を予防するための対策
1.爪の負担を緩和
●合わない靴の買い換え
足の爪の変形はほとんどの場合が、合わない靴や極端に爪先を圧迫する種類の靴を無理にはき続けることにあります。
正常な爪を保つには、爪をのびのびと伸ばすための余裕が必要なのです。
●爪の補強
手作業や力仕事など、指先や爪先に極端に負担が掛かることが想定される場合、テーピングなどで爪を保護し、形状を維持しやすいように補強することも有効でしょう。
2.内臓疾患の健康維持
●全体の健康管理
爪に変化が現れなくても、常に内臓を健康に保つように様々な対策を行なうことが、爪の変化を予防することに繋がります。
●爪の変化を見逃さない
内臓疾患の影響が爪に現れやすいと言うことは、わかりにくい身体の内側の疾患を爪を見ることで早期に把握できると言うことです。
爪の小さな変化も見逃さず、早期に病院の診断を受けることは、内臓の異常の早期治療に大いに役立つことになります。
単純に圧力で爪が変形する巻き爪などは、その原因を緩和することで予防対策となりますが、内臓疾患の兆候や水虫などが原因となる爪の異常は、爪への対策よりもその原因疾患を予防する、もしくは早期に完治させることが唯一の予防対策です。
爪はある意味健康のパラメーターであり、美しい爪には健康な体が必要ということを憶えておきましょう。
(Photo by:http://www.ashinari.com/2010/01/09-032645.php)
著者: カラダノート編集部