メンタル
タナトフォビア、全般性不安障害など・・恐怖症の診断基準と種類
恐怖症には高所恐怖症、閉所恐怖症など様々な恐怖症があります。
そしてタナトフォビアというちょっと聞き慣れない名前のものも恐怖症です。
●死が怖いタナトフォビア
死は誰にとっても怖いものですが、それを特別にいつも考えている人は少ないと思います。
タナトフォビアは一般的な死の恐ろしさに付随して以下のような症状が出ます。
・死後、無になるなら今生きていてもしょうがない
・生きて何かをしても死んだら終わりなのでむなしい
・死後に何か罰を受ける気がする、確信している
・死ぬときの痛みを常に想像してしまう
・死後の世界が何かわからないので漠然と恐怖感がある
●タナトフォビアから不安発作やパニックになることも
タナトフォビアも含めて恐怖症は、不安発作やパニックを引き起こすことがあります。
特にパニック障害になると『死んでしまうのではないか』という不安を引き起こすほどの発作が起きるので、そこからタナトフォビアを発生し、死が怖くてパニックに…といった悪循環を作るケースもみられます。
●考えない・死後の明るい世界を想像するのも有効
タナトフォビアでの不安発作を起こさないポイントが『考えない(考える時間を作らない)』『死後の明るい世界を想像する』ことです。
死のことをどうしても考えてしまうとは言っても、あまりにも忙しければ体が疲れて眠りを欲します。
わざと出かける回数を増やしてみたり、没頭できる趣味を探してみるのはおすすめです。
また、死後の世界がわからないからといって悪い方に考えるのではなく、何やら明るい世界を思い浮かべてみるのも有効です。
好きな人々とまた会えるとか、生の世界に遊びに行けるとか、とにかく漠然とでもいいので明るいイメージを作ってみてください。
タナトフォビアの不安発作に悩まされるときは考えない・動くといった対処法も有効です。
例えば、夜中にタナトフォビアの発作が来たら、無理に横になって考えるのではなく一旦起きて本を読んだりといった工夫です。
女性に多い全般性不安障害ってなに?
精神疾患の中には不安を主症状とする疾患があります。不安神経症とか全般性不安障害といい、健常者が感じる不安とは異なるものです。
全般性不安障害
全般性不安障害とは、上記のように不安を主な症状とする疾患です。不安とは漠然とした恐れの感情で誰しも経験したことがあります。しかし不安神経症でははっきりとした理由がないのに不安が起こる、あるいは理由があってもその理由に見合わない強い不安が起こり、それがいつまでも継続する病的な不安があらわれます。全般性不安障害ではこうした病的な不安が身体症状を伴ってあらわれます。元々神経質で不安を抱えやすい人に多く見られ、特に男性よりも女性の方が多く、その数は2倍と言われています。
どんな症状が見られるの?
全般性不安障害では以下のような症状が見られます。
精神症状
慢性的な不安/過敏/緊張/イライラ/落ち着きのなさ/集中困難
身体症状
筋肉の緊張/首や肩のコリ/頭痛/頭重感/震え/動悸/息苦しさ/めまい/頻尿/下痢/疲労感/疲れやすい/不眠
何かにつけて不安や心配がつきまとうもので、それが慢性的(基準では6ヶ月以上)に続くのが特徴で、精神症状に合わせて身体症状が伴います。多くの場合、身体症状を強く自覚し、体の異常を調べようと病院を受診しますが、身体的な原因が見つからないため精神的なものを疑います。あるいは、何年にもわたって続いてしまい、うつ病に移行したり、不安をまぎらわそうとアルコール依存症に陥ることがあります。
この疾患は以前は不安神経症と呼ばれていましたが、現在はパニック障害か全般性不安障害と言われます。ただし、パニック障害は急性・突発性の不安症状が見られるものですが、全般性不安障害は慢性の不安症状が長く続くものです。
文字が書けないほど緊張して手が震える! 書痙とは?
「書痙」とは、人前で文字を書かなければいけないような場面で手が震えて文字が書けなくなってしまうことです。
人が見ている前で文字を書くのがなんとなく苦手だったり、普段よりもうまく書けないくらいでは書痙とは言えません。
しかし文字が書けなくなってしまうほどの緊張や震えが起こる場合は治療の必要があると言えるでしょう。
手の震えだけでなく腕や肩に力が入りすぎて痛くなることもあります。
人前で文字を書く場面は
・病院や結婚式、葬式などでの記名
・ホテルのチェックインやカードへのサイン
・職業上の書類作成など
などがあります。
意外なのは普段職業上よく文字を書く人それも長い期間携わっていた人も書痙になる場合があることです。
これまで難なく書いていた文字が何かのきっかけで失敗し、その焦りと自信の喪失で書痙になってしまうようなパターンです。
それまでの経験で自信があった分、失敗体験と症状の悪循環が起きやすくなってしまうのです。
また最近では手で文字を書く機会が少なくなったために、いざ文字を書こうとした時に余計に緊張してしまう場合もあるようです。
いずれにせよ人前で文字が書けなくなってしまうのは困りもの。治療を受けるようにしましょう!
テスト前に掃除がしたくなるあの現象…実は心理学でも証明されています!
中間テストや期末テストの前に限って、やっぱり掃除でもしようかななんて思ったことがある方もいるはずです。
多くの人が体験しているこの現実逃避、実は心理学的にも証明できる存在だったのです。
●獲得的セルフハンディキャッピング
テスト前に掃除をしたくなる現象も含め、目の前にある課題に取り掛からず別のことをしてしまう現象は、獲得的セルフハンディキャッピングという行動パターンに分類されています。
獲得的セルフハンディキャッピングは、言い訳を作るための行動です。
例えばテスト前に掃除をして点数が下がったとしたら、掃除をしちゃって勉強できなかったからしょうがないね、となるわけです。
逆に、掃除をしなければもっといい点数が取れたんだけど…と言い訳することも可能です。
いずれにしても自分で自分の足を引っ張っておき、それを言い訳することが獲得的セルフハンディキャッピングの正体です。
●自分の低い能力を認めたくない
人間は、誰しも自分が劣っていると認めたくない生き物です。たとえ、本当に頭が悪くても、何かしら理由づけをしたいのです。
そのため、テスト前になって自分に自信がなくなってくると、獲得的セルフハンディキャッピングをして、言い訳のための理由探しをします。
勉強してもだめかもしれないという不安、もう間に合わないかもしれないという焦燥感、これらから起きる『自分の低い能力を認める』という作業から、掃除は目をそらさせてくれます。
ある種のストレス解消法と言ってもよいのかもしれません。
中間テストや期末テストの前、大事な試験の前に掃除をしたくなる現象は、不安やストレスからの逃避の一種です。
自分の能力が低いのではないか、テストで点を取れないのではないか、その責を自分で負うには耐えきれないといった、緊張や不安から、自分で自分の足を引っ張る行動をしてしまうのです。
高所恐怖症、対人恐怖症、閉所恐怖症、先端恐怖症など…恐怖症の診断基準と種類
高所恐怖症、対人恐怖症、閉所恐怖症、先端恐怖症…恐怖症にはたくさんの種類があり、だれしも1つくらいは心当たりがあるかもしれません。そもそも恐怖症とは、どのような状態で、どの程度の症状なら治療が必要なのでしょうか?どんな種類があるのでしょうか?恐怖症の診断基準と種類についてまとめました。
恐怖症の診断基準
・あるものや状況に対して、度を越える恐怖心をいだく。
・自分でも「こんなに怖がるのはおかしい」という自覚がある。
・恐怖を感じるものに遭遇しないよう、全力で避けている。避けられない状況の場合は、強い苦痛に必死で耐えている。
・たとえば高所恐怖症のエレベーター、先端恐怖症の注射など、恐怖を感じるものに接した場合は即座に恐怖が襲ってくる。
・恐怖、または恐怖を避けるため、日常生活に支障をきたしている。
恐怖を感じる対象
大きく分けると、5つに分類できます。
・動物
特定の動物を見る、触れることが怖い。犬・蛇・蜂・クモなどが多いようです。刺されたり、咬まれたりすることに対する恐怖が根底にあるケースも目立ちます。
・自然環境
嵐・強い風・雷など天候に関するものが恐怖の対象になる場合があります。水に対する恐怖も、ここに分類されます。
・血液・注射・外傷
体が傷つく、血を見ること、人体に対して強い恐怖を感じます。採血や怪我をする可能性があるスポーツを避ける傾向にあります。
・状況
閉所・高所・暗所などを恐れるパターンです。特定の状況に置かれると、恐怖を感じます。
・その他
嘔吐・赤面・視線・放射線・失敗など、さまざまな恐怖症があります。
何らかの恐怖症の人は、恐怖の対象と「自分がとても恐れている」という状態を自覚しているでしょう。診療内科などを受診してみましょう。
あなたも当てはまるかも?夫(妻)在宅症候群チェックリストやってみよう
夫(妻)が家にいるとなんだか落ち着かない、という方は夫(妻)在宅症候群の可能性があります。
夫(妻)在宅症候群は夫(妻)が家にいることで起きる精神的な不調、それに付随する身体的な不調を指しています。
●チェックリストは主に女性用です
夫(妻)在宅症候群は主人在宅症候群として生まれた過去があり、チェックリストは主に女性用が多くなっています。
ちなみに、この病気が提唱されたのは1993年の『主人在宅ストレス症候群』という本が日本では初めてとなっています。
●夫(妻)在宅症候群チェック
このチェックリストは妻用、女性が答えることを仮定して作られています。以下の質問にはい・いいえで答えてみてください。
□夫(妻)が帰ってくる時間が迫ると気分が憂鬱だ
□夫(妻)と一緒にずっと家にいるのはつらいと思う
□夫(妻)はあまり趣味がないのか、ずっと家にいる
□夫(妻)と意見の交換が出来ていないと思う
□夫(妻)に話しかけられると嫌だ、うっとうしいと思う
□夫(妻)とは分かり合える気がしない
□夫(妻)が家にいることが多くなってから、体のどこかしらが痛い
□夫(妻)が家にいることが多くなってから、憂鬱だ
これらのチェック項目のうち3つ以上当てはまる場合は夫(妻)在宅症候群の可能性があるので、早急に夫婦関係を改善するかその他の対処法を考えてみましょう。
●離婚もやむを得ない
夫(妻)在宅症候群が原因で離婚する夫婦というのも少なからずいます。
お互いに協力が出来る夫婦ならまだどうにか再構築してうまく老後を過ごすことも出来ますが、片方だけが努力してもう片方は全く無関心では、再構築も難しいです。
昨今の熟年離婚流行の背景には夫(妻)在宅症候群も関係しているのでは、と言われています。
夫(妻)在宅症候群が疑われる場合には、まずは再構築できるかどうかを考え、少しでも行動療法を実施してみましょう。
努力の結果再構築が難しいとわかったら、離婚も視野に入れてみてください。
(Photo by: http://pixabay.com/static/uploads/photo/2013/09/25/17/07/graves-186314_640.jpg )
著者: カラダノート編集部