女性のカラダの悩み
一体何?陰部にできたおでき?!がんなどの重い病気である可能性も…性器ヘルペスやバルトリン腺炎など… 陰部にできるおできの原因はさまざま!
陰部は粘膜や分泌腺、排泄器官があったり、さまざまな刺激を受けやすく、細菌やウイルスの感染も起きやすい環境であります。できものができることも多いようですが、病院に行くのは気が引け、悪化するまで放置してしまったというケースも少なくないようです。
中には放っておいても自然治癒したり、経過観察で問題がない場合もありますが、時には重い病気が原因となっていることもあり、早めに治療を開始すべきだというケースもあります。そういった病気の中に「ベージェット病」と「外陰がん」があります。
■ページェット病
がんの一種であり、初期にはかゆみや変色、熱を持つなどの症状があらわれます。進行すると痛みが発生したり、赤みのある湿疹のようなものができます。乳房にできることが多いですが、それ以外だと外陰に発生することが多いようです。
原因は現在のところ解明されていませんが、汗腺の一つである「アポクリン腺」に関わる細胞が変質して、がん化するのではと考えられています。閉経後の女性に発症することが多いようです。
軽度のものであれば、病変部とその周辺を多めに切除することになります。重度になると、リンパ節への浸潤がみられたり他の臓器への転移もおき、治療が難しくなることもあります。
陰部のかゆみや違和感が長く続くようであれば、恥ずかしいからと受診を先延ばしにせず早めに治療を開始することが重要です。
■外陰がん
まれではありますが、できものだと思っていたらがんだったという場合もあります。初期症状は、かゆみが出たりコブ状のものやできものができることです。進行すると潰瘍ができて痛みを伴ったり、熱をもったりするようになります。
50歳以上の女性に多くみられます。はっきりした原因はわかっていませんが、ウイルスや炎症がきっかけとなって発症するのではないかと考えられています。進行度が進むにつれ摘出する範囲も広くなります。なかなか解消されないかゆみや腫瘍のようなものを見つけたら、早急に受診しましょう。
これらの異変に気がついたら、まずは産婦人科を受診するとよいでしょう。
デリケートゾーンにおできができた!これって病気?病気でなくてもおできってできるの?
デリケートゾーンと言われる、外陰部におできが出来たことはあるでしょうか?外陰部におできのような病変が見つかった場合、場所が場所だけに、何かの病気を疑っても、なかなか人に相談できなかったりしますよね。
外陰部はおできができやすい場所
おできの原因となるのは、細菌です。常在菌が増えてしまうことでも起こりますし、病気を引き起こすような、外から付着した菌が増殖することも原因になりえます。
こうした細菌は湿度が高いほど繁殖がしやすいです。経血などでどうしても湿度が高くなってしまいがちな外陰部は、非常に細菌が繁殖しやすい環境なのです。
悪い病気でなくても起こる、陰部のおでき
肌におできができるのと同じで、黄色ブドウ球菌などによって炎症性の皮膚症状が起こります。これは特別病気ということではなくても起こりますので、おできを発見したからすぐに病気と思わなくても大丈夫です。
繁殖した細菌は、主に毛穴に侵入したり、小さな傷口から侵入し、炎症を起こして赤く腫れさせることもあります。外陰部に傷ができることはないと思うかもしれませんが、湿度の高い場所にある皮膚は、柔らかくなって傷つきやすく、見えない傷が出来ていることがあるのです。
日頃のケアで改善をはかる
こうしたおできは、「温める」「刺激を与える」ことで悪化しやすい特徴があります。そのため、おできがあるときには、しっかり湯船につかるのは避けたほうがよいかもしれません。
また、外陰部を清潔に保つことも重要ですし、スキニーやストッキングといった、通気性の悪いファッションも避けたほうがよいです。
治療をしても改善しないなら、病気を疑え!
生活の中の外陰部の環境に気を配りつつ、それで治らないならば婦人科や皮膚科を受診しましょう。
こうしたおできは、初期であれば抗生物質だけで治ります。もし膿んでいる場合には抗生物質の塗布剤も用いて治療しますし、より症状が進行している場合には切開が必要なこともあります。
薬で治せる場合には、4日程度治療を続ければ症状は改善できます。
それ以上かかってしまったり、正しく治療をしているのに再発を繰り返すようであれば、糖尿病や性病など他の原因を考えたほうがよいでしょう。
外陰部におできができると、ちょっと不安になります。ですが、そもそもできやすい場所ですし、正しくケアをしてあげれば改善されますので、過度に心配しすぎない方が良いでしょう。
性器ヘルペスやバルトリン腺炎など… 陰部にできるおできの原因はさまざま!
おできのようなものが陰部にできてしまった場合、場所が場所なだけに気になりますし、病院にも行きづらいかと思います。しかし、中には早めに治療したほうがよい病気であるケースもあります。陰部にできるおできのようなものには、一体どのような種類があるのでしょうか。
■毛包炎(もうほうえん)
細菌が毛穴に入り込んで炎症をおこすものです。ニキビのように赤くブツブツとしたできものができます。ひどくなると痛みを伴うようになります。
■粉瘤(ふんりゅう)
表皮の下に袋状のものができ、そこに垢や皮脂が溜まってコブのようになるものです。痛みはないことが多いですが、細菌感染すると赤く腫れたり痛みを伴うようになります。
■性器ヘルペス
ウイルス感染によって発症します。小さな水ぶくれや潰瘍ができ、痛みを伴います。粘膜の接触により人から人へ感染します。この病気にかかっていると、分娩時に赤ちゃんへ感染する可能性が高いため、早急な治療が必要です。
■尖圭(せんけい)コンジローマ
ウイルス感染によって発症します。小さなイボのようなものができ、どんどん増殖していきます。痛みはないことが多く、良性の腫瘍の一種ではありますが、原因となるウイルスに子宮頸がんを発症させる種類のものもあるため、注意が必要です。
■バルトリン腺炎
バルトリン腺とは、性交渉時に粘液を分泌する働きがあるものです。これが細菌感染により炎症が起き、通路が塞がってしまうと分泌物が中に溜まり腫れてしまいます。次第に大きくなっていき、化膿すると痛みが強くなることがあります。
病院へ行くのに抵抗がある場合もありますが、酷くなる前に治療を受けたほうがよいでしょう。かかる科は、皮膚科、もしくは産婦人科が適しています。また、下着のこすれや蒸れがおきやすく、排泄器官に隣接した場所であるだけにトラブルが起きやすいので、清潔を心がけるようにしましょう。
(Photo by:足成 )
著者: カラダノート編集部