メンタル
どうしてあんなに元気だった人が…自殺に踏み切りやすい危険性、微笑みうつ病になりやすい人、
「昨日まであんなに元気そうだったのに」…突然自殺をした人に対して投げられる言葉として、聞いたことがないでしょうか。
ほんの数時間前まで、ニコニコと元気そうにしていた人が、突然自殺をしてしまうことがあります。はたから見ると疑問が残るこの行動は、きちんと理由があるものです。
自分が限界でも笑顔を保つうつ病
自分がストレスを感じていると思ったとき、そのストレスを周囲に気づかれまいと、顔に出さないようにする人がいます。むしろ、周囲に対しては笑顔で接して、「自分は元気です」という印象をふりまきます。
これは、軽度のうつ病といわれる「微笑みうつ病」で見られる症状です。自分のストレスが限界で、体は信号を出しているのにもかかわらず、笑顔でそれを隠してしまうのです。
自殺は普通のうつ病よりも多い
こうした微笑みうつ病で起こりやすいのが、冒頭に書いたような突然の自殺です。
かなりのストレスがたまっているのにもかかわらず、周囲には笑顔で接するため、周りの人からすると「昨日まであんなに元気だったのに」という印象になるのです。
普通のうつ病の人の場合も、自殺の危険はつねにあります。
しかし、うつ病を発症している場合、何をするにもエネルギーが枯渇してしまっていて、自殺をするパワーがありません。そのため、自殺をする気持ちがあっても、行動にうつせないのです。
一方で微笑みうつ病の人は、自分を笑顔で取り繕うくらいのエネルギーがまだあります。しかし、体の中に溜まっているストレスは大きいです。
そのため、自殺をしようと思ったら、すぐに自殺が出来てしまうという特徴があります。
うまい言葉かけで、早期に必要な治療を
うつ病は人によっては時間の経過と共に治ることもあります。
微笑みうつ病の人は、周りに気づかれる前に「自分で治そう」と努力してしまいます。その努力がかえって自分を追い込み、自殺という結果につながってしまうのです。
そうなってしまう前に、周囲の人が気づいてあげて、適切な治療を受けさせてあげることが必要です。
ただ、本人は「周囲に気づかれないように」と努力しているわけですから、露骨に心配されると、余計に努力を続けてしまうことがあります。
そのため、受診を勧めるときには"うつ病"などのキーワードは出さず、『体調悪いみたいだから"私が"心配です』という気持ちを伝えて、病院に行くように勧めてみてください。
"あなたが"心配と伝えてしまうと、「大丈夫大丈夫」となってしまいます。
他にも病院に行く理由を患者さんにしないように、「最近仕事のストレスが多そうだから」とか「念のために」といった言葉を使うとよいです。
また、本人が病院に行かなくても、臨床心理士や保健師、職場の産業医などには家族が相談にいくこともできます。その場合、相談に行くのだとしても、きちんと本人に了承をとってからの方がよいです。
実際にはどんな治療がされる?
微笑みうつ病の場合、表面的にはニコニコしているので、医師も判断がしづらいという面があるようです。
微笑みうつ病と診断されれば、投薬や精神療法などの方法で、普通のうつ病と同じです。
微笑みうつ病の場合、そもそもその人が持っている性格が、発症の要因の大部分を占めています。そのため、自分の性格を客観的に冷静に認識し、柔軟な思考パターンを得ることが、長期的な治療においては非常に大切になってきます。
そんな風に見えないことが、微笑みうつ病の特徴ですが、こうした特徴がある故、周囲が気づいてあげることが大切です。
微笑みの裏のストレスに気づいたら、専門医の受診などをうまく勧めてみてください。
こんな場合はニコニコ顔でも"うつ病"かもしれない!知らないうちに重症化する微笑みうつ病
不機嫌な顔をしている人よりも、ニコニコしている人の方が、そばにいて気分がいいですし、健康的な印象を受けますよね。
しかし、しばしばその笑顔がストレスや悩みを隠す、防御機能になっているかもしれません。
「微笑みうつ病」とは?
今、中高年に増えているといわれているうつ病に、微笑みうつ病というものがあります。正式な医学用語というわけではなく、軽いうつ病、本格的なうつ病の前段階と言われるうつ病です。
ストレスがたまっている状態というと、想像するのは、落ち込んで仕事が手につかない状態や、明らかにやる気がない状態だと思います。
しかし微笑みうつは、ストレスが原因で気分が良くないにもかかわらず、作り笑いを続けるようになるものです。
微笑みうつ病がたどる経過
微笑みうつ病は、一見するとわかりにくいです。そのため、気づいたときには本格的にうつ病に陥っていて、病院を受診する頃には、重症のうつ病と診断されるまでになっていることが多いようです。
そのため、微笑みうつ病の多くは以下のような経過をたどります。
1.頑張って仕事をしていたが、次第に仕事上のミスが目立つようになる
2.元気がなくなり、表情もうつろになってくる
3.ミスを指摘されても落ち込まずに、微笑みを浮かべ謝るなどするので、周囲の人の人がうつ病と指摘しづらい
4.仕事を休むことが多くなる
5.うつ病と診断される
知らないうちに重症化するので早期発見が大事
気づかないうちに進行してしまう特徴を持つ微笑みうつ病は、小さな異変に気づいて、早期に専門医の診察を受けることが理想とされます。
そのため、以下のような症状が見られたら、微笑みうつ病の可能性を疑いましょう。
?寝つきが悪くなった
?寝起きが悪い
?午前中のミスが多い
?不安感やイライラ感が増えた
?食欲が出ない
?便秘や下痢になった
?頭痛や肩こりがひどくなった
?口が渇くようになった
?ミスを指摘されているのに、笑っている
?仕事から帰ると気分が楽になる
微笑みうつは、なかなか自分では気づけません。むしろ取り繕った笑顔を向けられる周囲の人間の方が、違和感を覚え、気づきやすいです。
微笑みの裏に隠されたストレスを、敏感に周囲の人が感じ取ってあげてください。
あなたのまわりにこんなニコニコさんはいませんか?その人、微笑みうつ病かもしれません!
周囲から気づかれにくいうつ病があります。それはにこにこ笑っていることが特徴の「微笑みうつ病」というものです。その名前の通り、周囲に笑顔を見せるため、落ち込んだ部分がみえにくく、態度からはうつ病を連想しにくいのが特徴です。
微笑みうつ病ってなに?
微笑みうつ病における「笑顔」というのは、ストレスを隠す意味を持っています。
ストレスをかかえているときに、落ち込んだ態度を見せたり、いかにもうつ病のような振る舞いをすれば、周囲に気づかれる可能性があります。
そのため、自分の不調を周囲に気づかれまいとして、笑顔をつくり、自分が抱えているつらさを隠そうとするのです。
微笑みうつは本格的なうつ病よりも、軽度のうつ病とされます。
ただ、軽度であっても、気づかれにくいという特徴からそのまま進行してしまいやすく、気づくころには、重いうつ病と診断されるまでに進行してしまうことも多くあるようです。
微笑みうつ病の症状
・仕事中は笑顔、家に帰ると落ち込む
微笑みうつ病の方は、仕事場にいるときには頑張り通し、ずっと笑顔でいることがあります。しかし、会社に行って頑張った分、家庭では気力が残っておらず、家では通常のうつ病症状(気分の落ち込み、食欲不振など)を生じます。
・話しかけられたときには笑顔
仕事中に頑張り通していても、やはり心は疲弊していますので、ボーっとしたり、集中力がなくなったりします。その時に、暗い表情を浮かべているため、周囲の人が声をかけたとき、一瞬で笑顔になって「大丈夫」と対応するのも特徴です。
つらそうなので声をかけたら、気持ち悪いくらいの笑顔、はりついたような笑顔で返される、という場合には微笑みうつ病の可能性があります。
・ミスをしても笑顔で謝る
仕事をしっかりこなす活力がありませんので、仕事上のミスも増えます。その時に上司などに怒られたり、注意されたりしますが、そうしたときはなおさら自分の体に受けたストレスを隠そうと、にこやかな顔を張り付けて謝ることもあるようです。
また、仕事のミスがきっかけに発症することも多いようで、ミスによる不安やミスそのものを隠すようにして、作り笑いをしたり、明るく振舞ったりするのが特徴です。
微笑みうつ病はリストラの対象である、中高年の世代に多いようです。
自分ではうつ病のような症状を何となく感じており、だからこそそれを悟られないように、つまりリストラの対象にならないように、笑顔を取り繕うのだそうです。
周りの人が気づいてあげて!自分でストレスを隠してしまう、微笑みうつ病の人の3つの特徴
自分がつらいときでも「大丈夫大丈夫」と、明るくふるまう人は周りにないでしょうか。笑顔で対応されると「あの人は頑張り屋だなぁ」など、肯定的にとらえてしまいがちですよね。ですが、その「大丈夫」は、その人が抱えているストレスを覆い隠している言葉なのかもしれません。
その人は、微笑みうつ病かもしれない
冒頭に書いたように、自分がストレスをかかえていることを周囲に悟られないため、笑顔をつくって隠すという、軽いうつ病が、微笑みうつ病です。
微笑みうつ病は表面上明るくふるまっているだけで、心の中はストレスが溜まっています。
ですが、表面を取り繕ってしまうために、典型的なうつ病の症状が見えにくく、そのため病気の発覚が遅れてしまいがちです。
こんな人は、微笑みうつ病の可能性があります
うつ病は出来るだけ早期に発見すれば、回復にかかる時間も短くなります。
微笑みうつ病の場合、自分が病気かもしれないという思いを、周囲から隠そうと自らしているので、自分で気づくのがなかなか難しいです。
そのため、周囲の人が微笑みに惑わされずに、気づいてあげられることが、非常に重要になってきます。
?2週間以上の不調
周囲に対して笑顔であっても、心の中はストレスでいっぱいです。
そのため、仕事でミスが多くなったり、集中力がなくなったり、仕事がはかどらなかったりします。そうした不調は、人には誰でもあるものですし、「今日はたまたま調子が悪い」ということもあるでしょう。
ですが、一般的にうつ病症状としての不調は、「2週間以上症状が続くかどうか」です。
?身だしなみに気をつかわなくなった
身だしなみというのは、生きるという行為の中では優先順位が低いです。そのため、うつ病で精神的な余裕がなくなってくると、そうした優先順位の低いところへの配慮が届かなくなります。
話しかけたりしたときはいつもニコニコ笑っているけれど、最近衣服や髪型、化粧がきちんとしていないという場合、うつ病の可能性があります。
また、汗をかいているのに、お風呂に入らないということもあります。
?不自然な笑顔
笑顔というのは微笑みうつ病の最も特徴的な症状かもしれません。つい笑顔を向けられると、その人のことを肯定的にとらえてしまいがちです。
ですが、以下のような症状がある場合は微笑みうつ病の可能性があります。
・話しかけたときだけパッと笑顔に切り替わる
・怒られているときでも何だかニコニコしている
・はりついたような不自然な笑顔をしている
こうした症状は、周囲の人は気のせいで済ませがちです。特に本人がニコニコと大丈夫そうにしていれば、なおさらです。
ですが、本人が平静を装っているうつ病だからこそ、こうした微妙な変化に気づいてあげないと手遅れになる場合があります。
常に笑顔で!…聞こえはいいけどストレスを増やしてる!その性格、微笑みうつ病になりやすいかも
自分がうつ病の入り口にいるかもしれないと感じた場合、人と接するときにどのように振舞うでしょうか。
「ちょっと最近ストレスがたまってて…」と素直に言える人は、比較的うつ病につながりにくいでしょう。
逆に自分が感じているストレスを、周囲に知られないように振舞う人のほうが、うつ病につながりやすいと考えられます。
笑顔でストレスを隠す「微笑みうつ病」
仕事などでストレスを感じ、自分の体調の変化に気づいた時、それを隠そうとする心理があるのが、微笑みうつ病という軽度のうつ病です。
微笑みうつ病というのは、周囲に対して笑顔を取り繕って、自分が抱えているストレスを隠すというものです。
一人でいるときは気分が落ち込んでいても、人に話しかけられたらたちまち笑顔がはりついたり、仕事中は努めて笑顔でいたり、起こられているときにも笑顔がはりついていることがあります。
微笑みうつ病にかかりやすいのはこんな人
うつ病を発症する人は、ある程度共通した性格特性がありますが、微笑みうつ病の場合も同じです。
微笑みうつ病にかかりやすい人は、以下のような性格特性を持っている方です。
・真面目で責任感が強い
・頑張り屋
・負けず嫌い
・体面を気にする
・自己犠牲をいとわない
特に頑張り屋の場合、気分の落ち込みさえも自分の頑張り次第で乗り越えようとしてしまい、そのために必死で笑顔を振りまくことがあります。
しかし、頑張りも過ぎれば病的になります。心や体の悲鳴を聞かずに頑張り続けてしまえば、さらに心や体への負担が増えてしまい、さらなるストレスをもたらすことになるのです。
結果、気づいたときには、自分の頑張りではどうにもできない重度のうつ病になっていて、専門の治療を受けることになるのです。
微笑みうつ病は、自分が頑張ってしまうことに加え、微笑みによって周囲から気づかれにくいという特徴もあります。医師でさえもその判断に苦労すると言われているほどです。
そのため気づいたときにはかなり進行した後だったり、最悪の場合自殺してしまってから気づく…ということにもなりかねません。
(Photo by:pixabay )
著者: カラダノート編集部