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血管の病気「動静脈瘻」とは?特徴と症状…重度な場合は心不全を起こす!?
「動静脈瘻(どうじょうみゃくろう)」とは、動脈と静脈との間に異常な通路ができてしまう、血管の病気のことです。
先天性の動静脈瘻はきわめて稀だとされています。
今回はそんな「動静脈瘻」について、その特徴やおもな症状に焦点を当ててまとめてみました。
動静脈瘻とは
体循環系、肺循環系、心臓のある冠循環系に見られる病気です。
通常、動脈を流れてきた血液は毛細血管を通って静脈へ流れます。
ですが、動静脈瘻の場合は、そんな動脈と静脈の間に異常な通路ができてしまうために、毛細血管を通さずに動脈と静脈が直接つながってしまいます。
そのため、本来毛細血管に行くべき血液がそのまま戻ってきてしまい、栄養の受け渡しや不純物の除去ができなくなってしまうのです。
動静脈瘻の原因
動静脈瘻が起こる原因としては、先天性のものと後天性のものが挙げられます。
先天性のものは、胎児のときに血管の形成に異常があったためであると考えられています。
後天性のものは外傷によるものがもっとも多く、並行する動脈と静脈が損傷を受けた場合に起こることがあります。
動静脈瘻のおもな症状
症状のあらわれかたは、動静脈瘻のできた場所や状態によってかなり異なります。
動静脈瘻が軽度の場合には、無症状や局所症状のみとなることもあります。
重度の場合、血液量が多くなった心臓の負担が増し、左心室が肥大して心不全を起こしてしまう場合があります。
また、動静脈瘻より末梢の部位では血液量が減るため、冷えや痛み、皮膚や粘膜が紫色になるチアノーゼなどがあらわれます。
動静脈瘻の治療方法
動静脈瘻の程度や大小によって、治療方法が異なります。
必要があればカテーテル治療や手術を行いますが、場合によっては治療が困難である場合もあります。
基本的に後天性の動静脈瘻の場合には、手術によって効果的な治療が可能です。
先天性の動静脈瘻の場合、動静脈瘻が小さければレーザーでの切除や除去が可能です。
ただし、かなり難易度の高い手術となり、眼や脳といった重要な器官の近くにある場合にはより治療が難しくなります。
そのためか、先天性の動静脈瘻は、重大な合併症が認められない限りは治療を行わないこともあるようです。
(Photo by:写真AC )
著者: カラダノート編集部