育児
胸にくぼみが!乳児・幼児期に気づく!漏斗胸と診断された場合の治療法
胸のくぼみ、胸の痛みや息苦しさを感じたら、もしかすると漏斗胸かもしれません。
小児の1,000人に1人の割合で発症すると言われている、胸の病気です。
特に男児に多く発症する傾向があります。
そんな漏斗胸について、治療法などをご紹介します。
漏斗胸とは?
漏斗胸は、胸骨や肋骨がへこんで胸の真ん中が漏斗のようにくぼんでしまう病気です。
(漏斗とは理科の実験などで使う、口の小さい容器に液体や粉末を注ぐ時に使う道具です。)
原因ははっきりしていませんが、骨や軟骨の成長、形成の異常でおこるのではないかと考えられています。
またマルファン症候群、ポーランド症候群、エラース・ダンロス症候群などの先天異常症に合併する場合もあります。
3歳頃までにくぼみが気になり、自然に治る場合もありますが、6歳を超えてしまうと自然に治ることは難しいようです。
成長とともに胸のくぼみが目立つことも多くあります。
漏斗胸の症状
漏斗胸は、胸がくぼんで圧迫されることで肺や心臓に影響があります。
息苦しさや動悸、胸の痛み、風邪や気管支炎、喘息などを起こしやすくなります。
乳幼児期に発症に気づくことが多い漏斗胸ですが、思春期になると胸の形が気になって精神的な悩みやコンプレックスを抱えることもあります。
漏斗胸の診断・治療法
漏斗胸の検査は、心臓、肺への影響を確認するためにレントゲン、骨密度検査、心電図、CT検査などを行います。
症状が軽度で治療が必要ない場合もありますが、治療法は、主に下記の3種類あります。
1)NUSS手術
手術で胸の中に金属板を一定期間入れて、矯正する方法です。
手術は、体の横から金属板を入れて肋骨を押し上げます。
金属板は約3年後に手術で摘出します。
入院期間は大体10~15日程度で、春休みや夏休みに受ける方が多いようです。
金属板の摘出手術は、大体3日程度の入院となります。
手術に適した年齢は、思春期の成長が来る前の10歳頃とされています。
しかし手術をしても、体が成長することで再発することもあるようです。
2)呼吸法(バキュームベル、ペクタスエッグ)
胸壁に大きい吸盤をつけて、その力で胸壁を持ちあげる方法です。
手術に比べ効果は薄いですが、毎日続けることで胸の形をよくしていくものです。
また、胸のへこみ自体が改善されるわけではないですが、水泳などの運動をして肺活量を増やすこともいいとされています。
3)呼吸、姿勢療法
漏斗胸の方は猫背になりやすいため、姿勢や呼吸に気を付けて、胸をはる習慣をつけることも必要です。
一般的には、1)の手術を行うことが多く、2)、3)に関しては、軽度の場合に行うことがあるようです。
漏斗胸は、形が目に見えるため、体だけではなく精神的にも辛い病気です。
年齢が低いうちの手術が適しているため、気になる場合は早めの受診が大切です。
(Photo by:足成 )
著者: カラダノート編集部