育児
根本治療は手術…それまでは薬で対処療法!大動脈縮窄症の治療の流れ
心臓や心臓に接続している大きい血管の奇形をもって生まれてくることがあります。
心臓というとすぐに命に直結する一大事のように感じますね。
大動脈が狭くなる
心臓から出る血管のひとつ、大動脈は酸素タップリの血液を全身に送る、非常に大事な血管です。
その血管に起こる奇形の中で多いのが、「大動脈縮窄症」です。
大動脈は心臓を出ると、まず頭側に向かって出てから弓を描くように曲がります。
ここで枝分かれして頭や両腕に流れる血液と、下半身に向かって流れる血液に分かれます。
大動脈狭窄症はこの弓状にまがった先が狭くなる先天性の病気で、これによって様々な症状が見られます。
ショック状態も…根本治療は「手術」
狭くなっている部分を治すには手術によって治療するしかありません。
手術を行うのは、無症状ならば3歳前後、遅くとも5歳頃までには行う必要があります。
もちろん、3歳よりももっと早くに症状が出ることもあります。生まれたばかりのときには、大動脈の血流が悪くても、肺動脈から動脈管を通って血液を流すことができています。
しかしこの動脈管という場所は生まれて数日で自然に閉じられてしまいます。
そのため、その後全身への血液供給が足りなくなり、ショック状態になったりして命の危険にさらされることがあります。
もしショック状態に至らなくても、ミルクの飲みが悪かったり、体重の増えが悪かったりといった症状で気づかれることがあります。
これらの症状がなくても、心雑音や高血圧によって気づかれます。
薬でできる対処療法
症状が出たらまずは、内科的治療でその状態を改善させる必要があります。
具体的には利尿薬やプロスタグラジンの投与を行います。
利尿薬は文字通り、排尿を促進する薬です。
これによって体の中に循環している血液の量を減らし、心臓に戻ってくる血液や送り出す血液の量を減らします。
これによって心臓の負担を減らしてあげるのです。
心臓は高血圧などの負担のかかった状態では、心不全を引き起こす可能性があります。
それを回避する目的で利尿薬を服用します。
プロスタグラジンは血管を拡張する機能があります。
これによって血流を促進し、心臓の負担を減らしてあげられます。
そしてできるだけ早期に手術
これらの対処療法をしながら、手術のタイミングを図ります。
症状があれば3歳と言わずできるだけ早期に手術をして、奇形を解消する必要があります。
いずれにしても発見されたら、きちんと手術に向けての準備をしていく必要がありそうです。
(Photo by:pixabay )
著者: カラダノート編集部