妊娠・出産
上手にいきむための呼吸法
出産時のいきみは、排便の時の感覚に似ています。
赤ちゃんの頭が下がってくると直腸の神経を刺激。直腸が刺激されると自然に「早く出したい、早くいきみたい」という感覚に襲われるため、排便と似た感覚だったという声が多いのです。
しかし、どんなにいきみたい感覚になっても、いきんではいけないケースがあります。出産時のいきみはタイミングがとても大切。上手ないきみは、スムーズな出産に繋がります。
今回は、上手にいきむための呼吸法やポイントをご紹介します。
いきむ時のポイントは?
赤ちゃんの頭が下がってくると、自然といきみたくなってきます。これは、人間の構造上、自然な現象。ただし、出産時にはいきむ事を我慢しなければならない状況があります。
例えば、陣痛がまだ激しくなかったり、赤ちゃんが十分に下がっていなかったり、子宮口が十分に開ききっていない時にいきむのはNG。
早くからいきんでしまうと、子宮口がむくむ原因になります。子宮口がむくむことによって、子宮口が開きにくくなり、子宮頸管の裂傷が起こしやすくなってしまうのです。
また、妊婦さん自身の体力が消耗して、本当にいきまなければならない時にいきめなくなってしまいます。そのため、直腸が刺激されて「いきみたい」感覚におそわれたとしても、子宮口が全開大になるまでは、絶対に我慢。
子宮口が全開大になったらおもう存分いきむようにしましょう。
医師や助産師さんの指示にしたがって
子宮口が全開大になったかどうか判断することは、妊婦さん本人には見えないのでわかりません。もちろん赤ちゃんが、今どれくらいの位置まで下がってきたのかも、妊婦さん自身は判断できかねます。
出産中に赤ちゃんと子宮口の様子をみながらいきんだ方がいいかどうかを判断し、指示をしてくれるのはそばにいる医師や助産婦さん。
「いきんでいいですよ」とか「はい、力を抜いてくださいね」という医師や助産婦さんの指示に基づいて行うことが、いきみをうまくこなす一番のポイント。出産中は、いきみを逃がす事が、一番のお産の大変さともいわれています。
上手にいきむための呼吸法
スムーズは出産をするためには、「いきみを逃す方法」と「いきむ方法」の二つを適切なタイミングで行うことが大切。あらかじめポイントを整理して、医師や助産師さんの指示に合わせた呼吸法を行うようにしましょう。
いきみを逃す姿勢
「陣痛の痛みよりもいきみを逃す方が難しい」と言われるほど、いきみを逃すことは出産時に高いハードルになります。いきみたい感覚をこらえることは大変ですが、いきみを逃す方法をうまく使うと陣痛の痛みが和らぐ効果も期待できます。
いきみたくなると自然と体が強張ります。そのためできるだけ体をリラックスさせることを心がけるようにしましょう。リラックスさせる姿勢には、四つん這いになる、歩く、椅子に座るなどママによって様々。
特に壁や椅子に手を付けたり、抱き枕などを抱きしめるなど、ギュッと力を入れることのできる姿勢は、楽になることが多いようです。自分に一番合った姿勢をとるようにしてくださいね。
いきみを逃す方法
いきみは、肛門あたりの刺激によって生じるため、その感覚を和らげてあげると楽になります。肛門あたりを野球ボールやゴルフボールで押すことが、一般的ないきみを逃がす方法。
自分では押すことができないので、家族や助産師さんにお願いするようにしてくださいね。
また深呼吸をゆっくりおこなったり、「出産は怖くない」と気持ちを落ち着かせたりすることもいきみを逃がすことに効果があります。
いきむ時の姿勢・方法
助産師さんから「いきんでくださ」という指示が出たら、子宮口が全開になり赤ちゃんとの対面まであと少しになります。今までいきみを我慢してきた分、思い切りいきんでください。
背中や腰は、分娩台に密着させるようにしてグリップをしっかり握るようにします。またあごを引いておへそを見るようにしてください。子宮口に力が入りやすくなり、いきみやすくなります。
そして、陣痛の合間にはゆっりく深呼吸をするようにしましょう。十分な酸素を体に取り入れることは、ママと赤ちゃんの体力回復にもつながります。
医師、助産師さんの指示に従う事が一番のポイント
「出産=痛い」と、いうイメージが先行して、いざ出産となるとママはどうしてもパニック状態になります。いきみたくてもいきむことができない状態も重なり、医師や助産婦さんからの指示が中々耳に入らなくなってしまうでしょう。
ただし、スムーズな出産を行うためには、医師や助産婦さんからの指示に従うことが何よりも大切になります。自分では判断することのできない子宮口の開き具合や赤ちゃんの状況により、判断をしてくれるので、判断に委ねるようにしてくださいね。
赤ちゃんに会えるまであと少しです。いきみの逃し方、いきみ方を頭に入れてがんばってくださいね。
(Photo by:https://www.photo-ac.com/ )
著者: カラダノート編集部