育児
赤ちゃんが乳糖不耐症によって下痢を起こした際の『補水』の仕方
赤ちゃんが、生まれつき、または生まれて数ヶ月してから発症してしまう可能性のある『乳糖不耐症』という症状があります。この症状が原因で、赤ちゃんが頻繁な下痢を起こしてしまうということは、既にご経験のある方も多いことと思います。
この症状の厄介なところは、下痢をすると体液も同時に流出してしまうので、体の恒常性を維持するのに必要な『電解質』をも失うことに繋がってしまうことです。
はじめに…『乳糖不耐症』とは?
母乳や人工乳に含まれている『乳糖』という糖質があるのですが、それを分解する酵素(ラクターゼと言います)が何らかの原因で欠乏しており、乳糖が分解されずに腸管内に残留し(後に乳酸に変わります)内膜を刺激し、下痢が引き起こすという症状です。
『電解質』とは
ヒトの体液中に存在するミネラルイオンのことで、その役割は、体内の水分量やpH(酸性~アルカリ性)を一定に保ったり、神経の伝達や筋肉運動の働きなどに関わっています。
電解質の種類としては、[ナトリウム(Na)・カリウム(K)・カルシウム(Ca)・クロール(Cl)]などがありますが、それぞれには以下のような働きがあります。
・ナトリウム・・・浸透圧に関与し、体内の水分量の調節を行う
・カリウム・・・酵素を活性化させ、間接的に筋肉エネルギー代謝や、神経伝達を助ける
・カルシウム・・・骨や歯の形成、神経の伝達、血液凝固を助ける
・クロール・・・浸透圧を調整し、pHを中性にする
(浸透圧とは:濃度が異なる液体(細胞の内液、外液)が膜(細胞膜)で隔てられているとき、液体は薄いほうから濃いほうへと移動して、同じ濃度になろうとします。この時に膜にかかる圧力を浸透圧と言います)
下痢を起こした際には、これらのミネラルイオンが流出してしまうので、それを補うための『経口補水液』を(大人用のスポーツ飲料のようなものです)ご自宅で作るか、市販のものを購入するかを行う必要があります。
経口補水液の作り方
1. お湯1リットルに対し、砂糖40gと食塩3gを溶かします。
2. 常温に冷めるまで待ちます。
これを、スプーンなどで少量ずつ、数回に分けて赤ちゃんに与えます。
1回の摂取量ですが、これは赤ちゃん個人の体重によって異なります。
<体重/補水液>
・5kg程度…250ml~500ml
・7kg程度…350ml~700ml
・9kg程度…450ml~900ml
・11kg程度…550ml~1100ml
・13kg程度…650ml~1300ml
・15kg程度…750ml~1500ml
・17lg程度…850ml~1700ml
(大塚製薬より引用)
また、補水液は大人用スポーツドリンクではNGかと言われる方もいらっしゃいますが、大人と乳児の『体液浸透圧』は異なっており、乳児用の補水液を選ぶ必要があります。
また、その乳児用補水液にも、一般的な補水液と脱水症状用の補水液の2タイプがありますが、より浸透圧が低めの脱水症状用のものが適していると言えます。
最後に
下痢は栄養が流れ出てしまうだけでなく、体のバランスと健康を保つミネラルをも流出してしまう恐れのある症状です。
簡単に自宅でも作れる補水液を与えてあげて、赤ちゃんの健康を守りましょう!
(Photo by:http://jp.freepik.com/free-photo/glass-of-water_20977.htm)
著者: カラダノート編集部