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脂漏性皮膚炎の改善のカギは腸内の善玉菌!
腸内の善玉菌から脂漏性皮膚炎を改善する!
腸内から脂漏性皮膚炎を改善?!
脂漏性皮膚炎の治療法として、代表的なものはステロイド薬です。皮膚科でもステロイド薬のみを処方する医師もおられますが、皮膚炎症の原因が真菌であった場合、ステロイド薬の長期の使用によって皮膚の抵抗力が弱まり、菌が繁殖しやすくなることで、症状が悪化してしまうというケースもあります。
その他の療法として、非ステロイド薬には抗ヒスタミン系の軟膏などがあります。非薬物療法としては、(食生活や生活習慣の改善、ストレス改善、シャンプーや洗顔料を適切なものに変える)など様々なものがありますがここでは、根本治療を目的とした食事療法の中でも、腸内細菌に着目した治療法をご紹介したいと思います。
アラキドン酸とEPA
現在アメリカにおいて、脂漏性皮膚炎の改善のための対策として、EPA(魚などに含まれるN-3系不飽和脂肪酸)を摂取することが非常に有効とされているようです。皮膚炎の基本的な考え方として、腫れや痛みを引き起こす原因物質のひとつに「アラキドン酸」という脂肪酸があります。このアラキドン酸はサラダ油などに含まれるn-6系不飽和脂肪酸という脂質で、これが体内で「プロスタグランジンやロイコトリエン」という炎症を促す物質に変わります。このことから、皮膚炎の方にはアラキドン酸の摂取は控えるよう勧められているそうです。
これに対して、炎症を抑え、血流を促進し、細胞間脂質となって皮膚を整え保護する物質がEPAです。このEPAが不足すると(ビオチンの不足により)、肌上の乾燥を防ぐためにアラキドン酸が過剰に分泌され、血流の停滞によって表皮のターンオーバーが遅くなり、脂漏性皮膚炎の」原因となります。
では、このEPAが効率よく作られるのはどうすれば良いのでしょう。
EPAの効率的な生産は善玉菌が鍵
その鍵が善玉菌にあります。アトピー性皮膚炎など、アレルギー体質の方は、腸内に悪玉菌が優勢となっていることが多いようです。腸内にてアシドフィルス菌などの善玉菌がビオチンを作り出しているのですが、悪玉菌が増え相対的に善玉菌が減ると、ビオチンの産生量も同時に減り、ビオチンを介して皮下組織に届けられているEPAも減ってしまうことになります。ですので、このEPAとビオチン両方の食事による摂取か、サプリメントによる摂取が重要となります。加えて、?善玉菌を増やすためにオリゴ糖も同時に摂取するとより良い効果が期待できます。
<まとめ>
・サラダ油などに含まれる「アラキドン酸」は炎症や痛みの元である「プロスタグランジン」などの物質に変化するので、なるべく避ける。
・魚などに含まれる「EPA」は抗炎症、血流促進、細胞間脂質の成分であるので、積極的に摂取する。
・ビオチンを同時に摂取すると、EPAの皮下組織への運搬が行える。
・善玉菌を増やすために、オリゴ糖を摂取する。
腸内環境の改善は様々な効果を生みますので、少しずつ取り組んでみませんか?
脂漏性湿疹を食事管理で改善しよう!
初期はニキビと間違えることも…
脂漏性湿疹という病気をご存知でしょうか?この病気は、頭や顔のTゾーンなどに紅班性の湿疹が出来るというものです。
多くの方が、この病気の初期症状からニキビであると思い、しばらくすれば治るだろうと放置しておいたが治らない、その後病院で診察してもらうとこの病気であると判明した、という方も多いようです。
症状がひどくなると、毛穴から黄色い脂の塊のようなものが分泌されたり、頭から大量のフケが出てきたりなど、日常生活にも支障が出てきます。この病気の主な原因としては「ストレス、常在菌の増殖、食事の偏り、睡眠不足、紫外線、遺伝」など、様々な要素が複合的に関連しているようです。
その中でも今回は「食事」に関して有効な対処法をご紹介したいと思います。
効果的な食事法
最近アトピー性皮膚炎の研究において、皮膚炎と胃腸の免疫機能は関係があるとの結果が報告されたようです。油ものや甘いもの、糖質などは控えることが第一ですが、その他にも胃腸に優しく腸内の善玉菌を活性化させるような食べ方が有効であるようです。
以下の食べ方は全て、インターネットにおいて脂漏性湿疹の患者さん自身が考案されたものです。少し厳しめのルールですが、ご自身で実行されていてこれが一番効果があったとのことです。
<基本的な食事習慣>
1)炭水化物はご飯のみ(出来れば玄米が望ましい、パンは一週間に一度。)
2)タンパク質は肉、魚、大豆を一食50gまで。
3)甘いものは1週間に1度。
4)外食、油ものは1週に1度。
5)野菜を毎食、赤白緑全色取り入れ沢山食べる。
6)揚げた食品はなるべく口にしない。
<中でも特に避けている食材>
・バター、マーガリン
・ジャンクフード類
・出来合いの揚げ物
・洋菓子や和菓子
・砂糖入りのアメ、ガム、キャンディー類
・アイスクリーム
・タバコ、アルコール類
・菓子パン類
上記はその脂漏性湿疹のブログの管理人さんが行っていた療法ですので、効き目は個人差があるそうですが、特にバター、マーガリンに感しては、一番に避けるべきものという様に紹介されていました。
乳児と高齢者に多い脂漏性湿疹とは?
真菌が主な原因である脂漏性湿疹というと、成人した大人の病気と思うかもしれません。実際脂漏性湿疹に悩まされていると言えば、美容が気になるお年頃の若い男女というイメージがあります。
しかし実際には脂漏性湿疹には乳児や高齢者も多く、特に高齢者はほとんど持病となり、外用液を手放せないほど慢性化していることが少なくないのです。
◆乳児脂漏性湿疹
額や頭部に強い湿疹が発症する脂漏性湿疹で、乳児に多く乳児期を過ぎると自然と治ってしまう乳児性の脂漏性湿疹です。ほとんどが自然に治るのですが、一部ではそのままアトピー性皮膚炎となって、湿疹が発生し続ける場合もあります。
◆高齢者の脂漏性湿疹
高齢者は眉毛や鼻、口の周りなどに脂漏性湿疹が発生することが多くなります。特に冬に悪化しやすくなるのが特徴です。根本的な治療法はないため、外用薬などで症状をコントロールすることを継続することになります。
◆衛生的な問題が原因では無い
脂漏性湿疹は真菌というカビが原因であることから、衛生的な問題から発症すると考えられやすい側面があります。しかし医学的にそのような事は無く、発症に衛生問題はほとんど関係しません。
とくにお子様が脂漏性湿疹になった両親など、まず衛生が原因だと考えれば、極端に子供の周囲を滅菌するなどの対策を行いますが、そのような事では治らないと言うことを知っておきましょう。
乳児などはまだ真菌などへの免疫も十分でなく、成長するまで脂漏性湿疹が出ることは自然のことだと思われます。そしてその免疫が成長しても作られない場合に、アトピー性皮膚炎となって継続するのです。
問題なのが高齢者であり、この場合は老化による身体機能の衰えが、免疫力の低下に繋がっていると考えられます。老化が関わっているので解決策はなく、外用薬で症状を緩和し続けるしかないでしょう。
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著者: カラダノート編集部