妊娠・出産
逆子の灸は効果あり?!
赤ちゃんは、ママのお腹の中で頭を下にして過ごしています。逆子とは、妊娠28~30週で、本来なら頭を下にしていなければいけない胎児が、頭を上にしている状態を言います。
逆子の状態が分娩時まで続いていた場合、普通分娩ではなく帝王切開をしなければなりません。
分娩前に逆子の状態を改善させるためには、どのような方法があるのでしょうか。今回は、逆子の治療に効果のあるお灸についてまとめました。
逆子になる原因
逆子になる原因は、ママと胎児の状態により様々。骨盤や胎児が小さいく、羊水が多いため逆子になるケースがあると言われていますが、明確な原因は解明されていません。
また東洋医学では、寒邪(冷え)・気滞(気の滞り)・気虚(気の不足)・飲食不摂生・痰湿(水分異常)が原因であると言われています。妊婦さんであれば、誰でも逆子になる可能性を持っているのです。
逆子と灸の関係
なぜ灸が効果あるの?
逆子の治療には、医師の手で行う外回転術や逆子体操やマッサージがあります。また東洋医学では、灸による治療があります。
灸を使うことによって、血流や気の流れを改善させるツボを刺激。その結果、逆子の原因である寒邪(冷え)・気滞(気の滞り)の解消に効果が期待できるのです。
特に冷えを改善させる効果が高く、お腹の中を温めてくれます。お腹が温まることで、赤ちゃんの自転活動が促進され、逆子が治ると言われています。
逆子に効果的なツボ
・脾兪
脾の兪穴(その臓腑の気が注ぐツボ)です。脾が気血を作り出します。
・腎兪
腎の兪穴です。腎は女子胞(子宮)を主っています。
・三陰交
女三里と言われるほど婦人科系疾患 に効果を発揮するツボです。足に流れる3本の陰経が交わるポイントです。
・至陰
逆子の特効穴です。小指の爪の外側にあります。半米粒大の灸を10~15壮すえます。
灸はどこで受けられる?通院回数は?
はじめて灸をする人は、鍼灸院へ行くようにしましょう。正しいツボの場所は、素人ではなかなか判断がつかないものです。また、より灸の効果を上げるために、鍼を併用することもあるので、鍼灸師に相談するようにしましょう。
通院回数は、個人によって差があります。早い人で、一度で逆子が治るのが分かったという声もあります。もしその場で治らない場合は、翌日にも行い、3~6回程度通うのが一般的なようです。
灸で本当に治るの?
逆子の妊婦をランダムに、通常のケアのみのグループ、至陰穴に灸をするグループの二つに分けた治療の関する論文がアメリカで発表されました。
その結果、至陰に灸をしたグループは胎児の胎動が活発になり、灸治療を行わなかったグループよりも逆子改善率が上昇。
この実験では至陰穴にしか灸をしていなかったようなので、三陰交、脾兪、腎兪のツボにも灸をしていれば、確率はもっと上がっていたかもしれません。
灸による逆子治療は、約89%の確率で矯正されると言われています。また母体や胎児への危険性も低いため、安心して治療を受けることができるのも大きな魅力ですね。
ツボをあたため逆子を治そう!
逆子の治療方法である外回転術は、多少のリスクが伴い、逆子体操には科学的根拠はありません。その点、灸は東洋医学で推奨されており、母体や胎児に対するリスクも低いため安心して行うことができます。
また至陰穴の灸で効果が無くても、副作用はありません。施術中は多少の熱を感じることはありますが、慣れれば心地よくなるでしょう。また至陰や三陰交への灸は、逆子の自己回転だけでなく、陣痛を促進し“安産の名灸”として古来から用いられています。
鍼灸院で適切な施術を受け、リラックスした気持ちで出産にのぞんでくださいね。
(Photo by:https://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部