妊娠・出産
不妊体質って遺伝するの?男性不妊の"遺伝"の可能性
うちの親が不妊症で、ようやく授かった子供が私だった…
もしかして私も不妊症や不妊体質になってしまうのでは、と不安になる方も多くいるようです。
さまざまな病気に関して、遺伝の可能性もしくは遺伝の絶対性が研究・発表されていますが、不妊体質についてもある発表があります。
男性不妊の遺伝の可能性
不妊体質は女性だけのものではありません。
男性にも不妊はあるのです。
イギリスの小児健康学会では、自然妊娠で生まれた子と顕微授精で生まれた子の比較を行ったところ、薬指の長さから顕微授精によって生まれた子は生殖能力が低い可能性があるとの指摘がされました。
なお、男性は人差し指と薬指を比べた時に、薬指が長いほど生殖能力が高いという事実があります。
遺伝だけではない
イギリスで行われた研究は『可能性』の話であって、正確に『男性不妊の原因は遺伝』と結論付けられたわけではありません。
女性の不妊体質については排卵サイクルに遺伝の可能性がありますが、遺伝だけで不妊体質が引き起こされるとは言えません。
生活習慣の遺伝
人間には生活習慣の遺伝があります。
これは肉体的な遺伝ではなく、いわば『社会的な遺伝』です。
親が1日1食で、自分も子どものころから1日1食で過ごして来たら、自然と1日1食の食生活が身につくといったような感じです。
社会的な遺伝は生活習慣とも関わりがあるので、不妊体質にも影響します。
不規則な生活を送る親の元で育ち、ずっと不規則な生活を送ってきたのであれば、不妊体質になりやすい素地は出来上がっているというわけです。
もちろん、努力で生活習慣の遺伝を改善することは可能です。
不妊体質に遺伝の可能性が示唆されることもありますが、完全に遺伝が原因とは言い切れません。
肉体的な遺伝よりも、生活のスタイルなど社会的な遺伝の影響の方が強いと考えられます。
男性不妊の原因は、病気にも日常生活にもある
不妊は女性側の問題とする方が多いようですが、男性にも不妊の原因があるかもしれません。
男性不妊では精子が正しく作られない、性行為自体が難しいなどさまざまな問題があります。
男性不妊の原因をみてみます。
男性不妊の9割は造精機能障害
男性不妊の検査をしてみると、その9割は造精機能障害ということがわかっています。
簡単にいえば、男性の体の中にもともとは備わっている精子を作る機能が低下しているという問題です。
造精機能障害には、無精子症の他に精子無力症などもあります。
無精子症は精液の中に精子がいない状態で、精子無力症は精子はあっても運動率が低い状態です。
生活から造精機能障害になる可能性も
造精機能障害のきっかけとして、生活習慣がかかわっている場合もあります。
肥満やメタボリックシンドロームなども男性不妊の大きな原因で、アルコール摂取や喫煙にも問題があると言われています。
病気だったとしても背後に生活習慣がかかわっており、生活習慣の改善である程度、精液・精子の状態を改善することもできます。
勃起不全や膣内射精障害
勃起不全、膣内射精障害などの場合には、精液・精子には問題がないものの性行為に問題があるという障害です。
性行為時に十分な勃起・射精が出来ないのが問題です。
勃起不全に関しては心理的な側面も大きいので、パートナーとよく理解し合ったうえでの治療が必要です。
男性不妊の原因の多くは精液・精子に問題がある造精機能障害で、そのほかには勃起不全なども男性不妊の原因となっています。
(Photo by:足成 )
著者: カラダノート編集部