妊娠・出産
妊婦検診の尿検査では何を調べているの?検査の目的と受けるときの注意点
妊婦検診で毎回行う検査の中に、尿検査があります。
「毎回やると聞いていなかったので、病院に行く前にトイレに行っちゃった!」ということもあるようですが、どの病院でも検診のたびに行いますので、心づもりをしておきたいですね。
この検査では、どのようなことを調べているのでしょうか。
尿検査の目的
まず初診での尿検査では、妊娠しているかどうかをチェックします。
妊娠している場合に分泌されるhCGホルモンが尿中に含まれているか調べることで、妊娠の有無がわかります。
2回目以降の検診では糖やタンパクの値を調べます。
糖が検出された場合は、妊娠糖尿病の疑いがあります。
巨大児や羊水過多などの原因になることもあり、早産や流産を引き起こす可能性も高くなります。
また、タンパクが検出された場合は、妊娠高血圧症候群などが疑われます。
この病気も赤ちゃんの発育に影響が出たり、出産時に大出血をおこすなど、大変危険な状態になります。
これらは自覚症状があまり無い場合もありますので、毎回しっかりと検診を受けることで早期発見、早期治療できるようにします。
妊婦検診の尿検査でわかること
妊婦検診では毎回尿検査が行われます。
妊婦検診で尿検査を行うのは、尿蛋白値と尿糖値を知るためです。
尿蛋白検査
尿の中にタンパク質があるかどうかを調べます。
妊娠中は生理的にタンパク質の多い、蛋白尿がでやすくなります。
これによって、急激な体重増加や塩分のとりすぎなど食生活を見直すとともに、腎臓機能の低下や腎臓病、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などの可能性を調べます。
尿糖検査
血液中に糖が多いと、尿に糖がもれ出てきます。
尿中にブドウ糖が多いということは、血糖値が高いということになります。
糖尿病合併妊娠や妊娠糖尿病になる可能性を調べます。
1回の尿蛋白ならば問題なし
1回の検査で尿蛋白だったくらいならば、腎臓疾患の可能性はありません。
妊娠中は腎臓へ送られる血液の量が増えたり、腎盂(じんう)や尿管が拡張するために、腎臓に負担がかかって尿蛋白になることが多々あります。
そのため、一時的に尿蛋白になることがあるのです。
特に妊娠後期や急激な体重増加、塩分の取りすぎや疲労などの要因も合わさって、尿蛋白が出ることがあります。
この場合は、時間を置いて再検査ということになり、それで改善していればなんの問題もありません。
尿検査を行うわけは?
妊娠初期に尿検査を行うのは、腎臓機能の低下や腎臓病を早期発見するためです。
腎臓は症状が出にくい臓器なので、初期段階では症状を見逃すことも多いです。
妊娠が進むと腎臓にも負担がかかってくるようになり、もともと腎臓に疾患があったり状態が悪かったりすると、赤ちゃんの成長に影響を与えるだけでなく、妊娠高血圧症候群になる可能性もあるので、妊娠初期でそれらを発見しておく必要があります。
妊娠高血圧症候群は、母体と胎児に悪影響を与えます。
そのため早期発見が大切であり、そのため妊娠初期や妊婦検診で尿検査をする必要があるのです。
1回の尿蛋白や軽度なら問題ありませんが、中度の尿蛋白値が慢性化するようでしたら、早急に治療が必要となります。
尿検査を受ける時の注意点
尿は中間尿といって、出始めて少し経ってからの尿をとるようにします。
これは出てすぐの尿には、尿道付近の雑菌などが混入することがあり、正確な検査を妨げることもあるためです。
また、検査のすぐ前にトイレにいってしまうと必要な量がとれなくなることがあります。
我慢しすぎるのもいけませんので、うまく調整していきましょう。
検査の前に甘いものをたくさん取りすぎると、糖が検出されてしまうこともあります。
前日夜遅くに甘いものをたくさんとり、翌日の朝は何も食べずに検診に行ったという場合にも糖が検出されてしまった、という話も聞きますので注意しましょう。
検査時に一度糖やタンパクが出たからといって、すぐに病気が確定される訳ではなく、他の検査を参考にしたり複数回行ったりして診断します。
妊婦さんの健康をはかるバロメーターの一つですので、毎回正しく検査を受けられるよう心がけていきましょう。
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(Photo by: [http://www.ashinari.com/])
著者: カラダノート編集部