気になる病気・症状
甲状腺ホルモン剤と他の病気の薬と飲み合わせを検証 甲状腺の病気の症状や治療、薬の副作用など
甲状腺の病気には、ホルモンバランスがくずれる型と、甲状線種という腫れる型があります。
ここでは、よく罹患するホルモンバランス障害である、”機能亢進症”、”機能低下症”の薬を服用している場合、他のよく罹る病気の薬と飲み合わせて良いのかをご紹介します。
甲状腺とは?
甲状腺とは、からだ全体の新陳代謝を促進するホルモンを出す場所で、喉仏の両側にあり、ラグビーボールのような形をしていて、1本の糸でつながっています。
甲状腺ホルモン剤
種類:チラジンS・レポチロキシンNa錠、チロナミン錠、サイロニン錠、チラーヂン末、チレオイド錠など。
1、甲状腺機能低下症を治療するために、不足している甲状腺ホルモンを補充します、それ以外に、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺機能低下症の治療にも使われます。
2、ホルモン剤は生涯服用し続ける必要があるので、ホルモン剤の効果を減らす作用がある薬を併用する時は、十分注意しなければなりません。
気になる薬の飲み合わせ
1、鉄剤、アルミニウムを含む制酸薬、スクラルファートや亜鉛を含む胃薬、炭酸カルシウムを含む薬は、甲状腺ホルモンの吸収を妨げる作用があるため、長期間服用する場合は、4時間位服用する時間をずらします。
2、陰イオン交換樹脂薬はコレステロールを下げる作用があるのですが、同時に甲状腺ホルモン薬を吸着して排泄してしまうため、少なくとも6時間は空けます。
3、クマリン系の抗凝血薬(ワルファリンカリウムなど)や強心配糖体製剤(ジゴキシン、ジギトキシン)は、直接薬の作用に影響しませんが、甲状腺の状態により、効果を増強したり、弱めたりしますので、服用時間を空けます。
4、血糖降下剤は、血糖降下剤の方の効果が低下するので、時間を空けて服用します。
5、交換神経刺激薬(エビネフリン、ノルエビネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン含有製剤)を服用する時は、交換神経刺激薬の効果が減るので、時間を空けて服用します。
6、狭心症、時間のたった心筋梗塞、動脈硬化症、高血圧症、副腎皮質機能不全、脳下垂体機能不全、糖尿病のある人はホルモン剤の使用量を減らさないと、それらの症状を悪化させます。
7、ヨウ素が含まれる海藻を大量に摂取しても、日本人は海藻を食べる習慣があるため、特にヨード制限しなくても、薬が効かないということは無いです。
まとめ
高血圧の薬飲んでいるから、甲状腺ホルモン剤を飲むのは休むという方がいると思いますが、甲状腺ホルモンの服用は基本的に毎日服用しなければなりません。
甲状腺ホルモン剤は副作用が少なく、基本的にはいつ飲んでも大丈夫なので、複数種類の薬を服用する時は、医師の指示に従って服用するとよいでしょう。
甲状腺エコーの検査と甲状腺病の治療は何科で行うの?
甲状腺エコーや甲状腺に関する病気など、どの科に行けばいいかわからないと悩んだ経験を持つ方もいるかもしれません。
ここでは甲状腺エコーの検査、甲状腺の病気の治療にふさわしい科を紹介します。
●専門は甲状腺科、内分泌科
甲状腺エコーを受ける際にはいくつか理由があると思いますが、家族歴がある、小さいころ甲状腺病を患ったことがあるなどの理由であれば、最初から専門科に行くことをお勧めします。
専門は甲状腺科、内分泌科のどちらかとなっており、総合病院にはこれらの科が存在することが多いです。
●よくわからない場合は内科へ
甲状腺そのものの異常ではなく、リンパの異常というケースも考えられます。
今までに甲状腺系の病気の発症がない、家族歴もない、何となく首のあたりがおかしいなと感じるのであればまずは内科へ行ってください。
内科でもエコー検査と血液検査は可能で、大体3割負担で4000円程度を見込んでいけばOKです。
エコーや血液検査の結果、甲状腺の異常があるとわかった場合は、ケースバイケースで甲状腺科・内分泌科を紹介されます。
●紹介状ありで大病院に行った方が格安?
初診で大きな病院に行くと払う金額が多くなる、というのが現在の日本の医療制度の特徴です。
ベッド数によって大病院かどうかが判断され、500床以上のベッド数を持っている病院に紹介状なしで行くと特定療養費という料金も徴収されるので総費用が高くなってしまいます。
この点も考えて、どの病院に行くかを決定するのがおすすめです。
痛みもほとんどなく、時間的な拘束も少ない甲状腺エコー検査は、3割負担で費用が1050円です。
ただし、初診料やそのほかの検査料金がプラスされることがありますのでその点は理解してください。
甲状腺ホルモン剤の副作用が腹痛を起こす!
甲状腺ホルモン剤を継続して服用していると、腹痛や下痢を起こすことがあります。
ここでは、甲状腺ホルモンに補う薬、チラーヂンの副作用が起こる原因と解決法を紹介します。
チラーヂンの効果・・・不足している甲状腺ホルモンを補充します。
適用・・・甲状腺機能低下症、甲状線種、粘液水腫、クレチン病など。
服用量・・・成分レボチロキシンナトリウムを成人25~400ugを1日1回服用します。
服用開始量は、25ug~100ug、、維持量は100ug~400ugです。
副作用
1、狭心症、肝臓病、急性腎不全を併発します。
2、腹痛・下痢症状を起こす場合は、元来副腎皮質の働きが弱っているため、投薬によって急性副腎不全を併発したのが要因です。
副腎皮質の働き
左右の腎臓の少し上にある豆粒位の大きさの臓器の皮質部が副腎皮質です。
脳下垂体の命令で、様々なホルモンを分泌する臓器である副腎の皮質からは炎症を抑える糖質コルチコイド、電解質バンランスを整える電解質コルチコイドが分泌されています。
チラーヂンが急性副腎不全(不全クリーゼ)を起こす?
チラーヂンを服用すると、強いストレスがかかって、糖質コルチコイドが急激に減少して、急性副腎不全になり倦怠感、吐き気、下痢、腹痛などの腹部症状や発熱が現れ、やがて脱水症状や意識障害などの重い症状になり、治療が遅れると命の危機になります。
もし症状を起こしたら?
時間があれば、ホルモンの検査を行い、無ければ、塩分とブドウ糖液と副腎皮質ホルモン薬の点滴投与、速やかに行います。
まとめ
チラーヂンによる重い副作用は稀ですが、薬の使い始めに危険性があるため、慢性副腎皮質機能低下症と診断されている患者さんは特に、投薬量や、他の薬との併用についてかかりつけ医師と十分な相談をしましょう。
良い効果が出るまで、数週間から数ヶ月様子を見て、良好であれば減量や中止になることもあります。
定期的に指示を受けた検査を受け、効果や副作用を確認しましょう。
もしも甲状腺の病気だと分かったら?理解しておくべき5つのこと
■甲状腺の病気だと言われたら
医師から突然、「アナタは甲状腺の病気です」と言われたら、どのように感じますか?多くの人は、「一体どんな病気なのだろう」「これからどうなってしまうのだろう」と不安に思うでしょう。
私達はよくわからないものに対してはどうしても不安を感じてしまいます。甲状腺と言う臓器があることは知っていても、ここに起こる病気についてはなじみがなく、理解している人は少ないようです。
落ち着いて対処するため、理解しておくべき5つのことを紹介します。
1、甲状腺の病気は珍しくない
日本では、自覚症状がなくても何らかの甲状腺疾患を持っている人が10~20人に一人いると言われます。
これは国民病といわれる糖尿病に近い割合です。
甲状腺の病気は決して珍しい病気ではなく、難病でも奇病でもありません。
2、症状の出方はさまざま
甲状腺の病気は、初期ほど症状があいまいで、人によってさまざまな表れ方をします。
例えば、よく「バセドウ病になると眼球が飛び出る」と言われますが、この特徴的な症状が表れるのは、10人中3~4人程度です。
既成のイメージに振り回されすぎないようにしましょう。
3、不治の病ではない
甲状腺の病気の多くは自己免疫が関わるため、「厄介で治らない病気」と思い込んでいる人も少なくありません。
しかし、治療方法は進んでおり、きちんと治療を行えば見違えるほど元気になり、運動でも妊娠でも、何でもできるようになります。
4、薬が一生必要とは限らない
バセドウ病や橋本病では、薬による治療が中心です。
医師の指示を守り、飲み続けることが大切ですが、甲状腺の機能が正常に戻れば、場合によっては薬をやめられるようになります。
5、生命にかかわることはまれ
甲状腺の病気の中で、生命にかかわるような怖い病気は多くありません。
甲状腺がんも、ほとんどは悪性度の低いおとなしいタイプが多いので、早期発見・早期治療すれば治すことができます。
■このように、甲状腺の病気は適切な治療をきちんと行えば、元気で健康な生活を取り戻すことが可能です。
むしろ怖いのは、初期のあいまいな症状を軽く考えて、ほおって置くことです。
甲状腺の病気についてよく理解すれば、きっと不安は軽減されるでしょう。
きちんと知ってる?バセドウ病って甲状腺がどんな状態なの?
バセドウ病ともっとも深いかかわりにあるのは甲状腺ですが、そもそも甲状腺ってどんな器官かというと知らない方も多いかもしれません。
甲状腺がどんな器官なのか、そしてバセドウ病のときには甲状腺がどのようになっているのかを知っていきましょう。
●甲状腺ホルモンは新陳代謝と関係している
甲状腺は甲状腺ホルモンというホルモンを作っています。甲状腺の働きの中で大事なのはこの『甲状腺ホルモン』の働きです。
甲状腺ホルモンが行っていることは人間の体を日々新しいものに作り替えることです。
細胞を新しく生まれ変わらせる『新陳代謝』のために必要なエネルギーは甲状腺ホルモンから提供されています。甲状腺ホルモンがあることで内臓や肌が日々新しく生まれ変われるのです。
●バセドウ病と甲状腺ホルモン
バセドウ病になっているときに甲状腺がどうなっているかというと、見た目からいうと喉が腫れています。普段は甲状腺を外から触ることはできませんがバセドウ病の場合はしこりという形で甲状腺が出てくるのでさわれます。
そして内部では甲状腺が甲状腺ホルモンをたくさん分泌して、甲状腺ホルモンは新陳代謝をどんどん行っていきます。休んでいるときなどには普通はエネルギーの消費が抑えられますがバセドウ病患者の場合はそうはいきません。
ひどくなるど24時間マラソンでもしているように体の機能が活発で、どんどんエネルギーが消費されて痩せていくのです。
甲状腺機能亢進、甲状腺が甲状腺ホルモンを過剰に分泌することでバセドウ病の症状は引き起こされます。ちなみに甲状腺が甲状腺ホルモンの生産量を減らして甲状腺ホルモンが働かないのも問題です。甲状腺ホルモンが働き過ぎるのがバセドウ病、甲状腺ホルモンが働かな過ぎるのが橋本病です。
甲状腺とは喉にある器官のことで、甲状腺が分泌する甲状腺ホルモンは体の新陳代謝に関わっています。
バセドウ病の患者は甲状腺ホルモンが分泌され過ぎている状態です。
病気について良く知り、正しい知識を持って診察などに臨むようにしましょう。
(Photo by http://www.ashinari.com/2013/06/09-378945.php?category=12)
著者: カラダノート編集部